第36話 川口道路事情('99. 3. 1)

 隣市である川口市へ入ると、都内とは俄然、道路事情が異なってくる。北本通り(きたほんどおり)を営団地下鉄南北線に沿って走り、赤羽岩淵の交差点で道なりに右折すると、新荒川大橋に出る。ここまでの都内の道路は、車道の分離帯、歩行者用道路、自転車用のラインともに整っており、人のクルマも自転車も安心して走れる。ところが、新荒川大橋を渡りきり、対岸の埼玉県(川口市)に出ると、クルマで走る場合はともかく、人と自転車にとっては受難続きになるのである。この国道122号・岩槻街道、(北に向って)左側の車線脇には、かろうじて自転車が1台通れる幅の歩道があるだけ。しかも傾斜があるので、人が上り、自転車が下りですれ違う場合など危なっかしいことこの上ない。(北に向って)右側はと言うと、あきれたことに歩道がない。要するに川口から都内に向う場合、橋への傾斜がつくところで、車道だけになってしまい、歩道は泣き別れになってしまうのである。自転車で川口から赤羽に戻る際、こっち側の歩道を走っていて、途中、走りようがなくなってしまい、信号交差点の五差路まで戻って、反対側の狭い歩道をぎくしゃく走って帰ったことがある。これはまず新荒川大橋の袂からNTT川口のある五差路(本町ロータリー→地図までの話。200~300mなので、我慢できないではないが、とにかくひと苦労させられる。続いてこの五差路だが、左側を自転車で走ってきた場合、なんと直進ができない。横断歩道がないのである。川口駅に向う場合は、ここで素直に左折すればいいので影響ないが、赤羽から鳩ヶ谷方面をめざす時は、ここでいったん右側に渡り、直進し、再び左側に渡る、つまりコの字に進まないといけない。左側には、住宅公園やダイエー系ディスカウント店などがあり、一頃は結構足を運んでいたので、これが苦痛で仕方なかった。

 さて、さらに悪いことにこの岩槻街道、現在、南北線の北進部分、つまり埼玉高速鉄道の工事中とあって、道路路盤が鉄板敷きになっていたり、舗装がきちんとなっていないものだから、車道・歩道の区別が一層つきにくくなっている。ダイエーがある左側でなく、鳩ヶ谷方面に用がある際、右側を直進していて、これに出くわし、実に驚かされた。おまけに凹凸も結構多いので、歩行者・自転車ともに泣かされる。新荒川大橋から川口元郷・末広の境界あたりまでの約1km。都内と異なる道路事情の一端を知ることができるという訳である。

 久々にクルマを動かす機会ができたので、鳩ヶ谷方面にある、とあるホームセンターに買い出しに行くことにした。自転車でこのホームセンターに行ったところで、それなりに物は買えても、こういった道路事情だから、下手にいろいろ買い込むと不安定になり、事故のもとなので、クルマに頼らざるを得ないのである。クルマ優先で道路が成り立っているので、さすがにクルマだと楽である。自転車で30分近くかかって、迷いながらたどり着いたのが嘘のように、クルマ来店者向きの看板案内に従い、難なく着くことができた。ベランダ据え置き用の大型ボックスや突っ張り棒などを買い揃え、家路に着く。しかし、思わぬ落とし穴と言おうか、幹線道路はクルマ向きであったのに、ちょっと間違えて生活道路に迷い込むと、もうそこは人も自転車もクルマもない、線引きがない無法地帯となってしまう。大げさかも知れないが、どの立場の安全も保障され得ないのである。暗かったせいもあるが、細い道はそんな状態だし、ある程度幅のある道路でも中央線がわからない上、車線に書かれるべき、ダイヤモンド「◇」や「30」「40」などの規制速度表示も少ないから、車幅が読めず、対向車が飛び出してきた時には、肝を冷やした。道路標識もあいまいなので、果たして進入禁止なのか、一方通行なのかもわからない道路が多く、おそるおそる入ってみてから、双方向通行の道路であることがわかるという始末。あとで地図で見てみたら、川口朝日・青木の界隈をうろうろしていたことがわかった。いやはや。

 末広の交差点まで出て、再びクルマ天下に戻ったが、またまた驚いたことに、先述した南北線の北進部分(埼玉高速鉄道)の工事箇所では、車線が仮に引かれているだけで、中央線や分離帯もないのに気がついた。このあたりは自転車や歩行者だけでなく、クルマも命懸けである。この日は、春に向けての大嵐に見舞われていたこともあったので、何か物が飛んできやしないかという心配も重なり、また格別だったのは言うまでもない。

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