第5話 列島縦横エコリレー in 東京('97.11.15)

 12月に開催される地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組条約第3回締約国会議=通称COP3)に向けて、日本列島各地を自転車のツーリングでリレーして、京都をめざそうと言うNGO挙げての一大イベント、「ストップ!地球温暖化 列島縦横エコリレー」が11/8に東京入りした。青森県を起点とする「東北・太平洋コース」の流れを汲んで、千葉県から渡った自転車バトンは、11/8のうちに北千住へ、翌11/9には原宿・表参道での街頭アピールに一役買い、11/10は23区の各区役所を起点にしたり経由したりで、新宿区役所と都庁をめざして、再度集結といった具合。そして11/11はいよいよ神奈川県へのバトンパスと言うことで、筆者も参加させてもらった。

 田園調布から蒲田駅行きのバスに乗り、久が原界隈をめざす。集合場所の詳細をつかんでいなかったので、とりあえず聞いた通り、久が原センターなるものをバスの窓外から探しながらの乗車である。すると、安浄寺と言う停留所に止まる手前の児童公園で、エコリレーの自転車隊と思しき一団が目に留まった。あわてて安浄寺で降り、その一団と合流、すかさずエコリレーに参加という、何ともハプニング調の出だしとなった。久が原センター集合では?と尋ねると、ここに変更になったとのこと。久が原センターについても尋ねてみたら、この日のエコリレー主催団体であるマイコープ大田の久が原センターを指していた。てっきり大田区の出張所か何かかと思っていたので、あやうく乗り過ごすところだった訳である。こういう時ばかりは本当に強運だと思ってしまう。

 乗りなれないサイクリング専用の自転車なので、不安定さが隠せない。最初は乗りにくそうにしていたマイコープの奥様方は、何だかんだですぐ順応してスイスイ走っている。予め後尾を走っていたので、不格好さを笑われずに済んでよかったと、これを書きながら述懐してしまう自分がちょっと情けない。何はともあれ、用意された自転車に乗って、池上本門寺や呑川沿いを颯爽と走れるんだから、これはちょっとしたレンタサイクル気分である。もちろん後輪には「ストップ!地球温暖化」なんて旗幟をくっつけてる訳だから、単なるサイクリングとは一味違うのだけれど。

 10時ちょうどに大田区役所に着くと、区長以下、関係する区職員の方々の出迎えを仰ぎ、特にバトン自転車は拍手の中を正面に通され、思いがけず晴れ舞台に上ることになってしまった。青森から延々と乗り継いできたのならともかく、たかだか2kmちょっとでの歓待だったので恐縮の極みである。京都会議に手渡される、リレー各通過点での自治体首長のメッセージに大田区長の分も加えられ、その旨あいさつを頂く。他にも関係各位からの激励や、リレーチームの声明発表等が続き、ちょっとしたセレモニーになった。(久が原からのエコリレーを含め、このセレモニーの準備に労を尽くしたマイコープの皆さんには本当に敬服させられました。) さて、セレモニーが終わるといよいよプラカードや小旗を持った行進チームと自転車チームによるねり歩きが始まる。大森駅までの約1kmである。「止めよう、地球温暖化!」の声が響く。自転車は大田区役所からの合流もあって、一列に連なると結構な長さになる。自転車を押す人の背には「ストップ!地球温暖化」の表示。温暖化をこれだけストレートにアピールするデモンストレーションがこれまであっただろうか、と自分も含めて感心してしまった。商店街の狭い歩道を通ると、通行の妨げになる点は否めないが、その分注目も集まるというものである。時折、一般の方との会話も生まれる。温暖化に対する関心を少しでも高めてもらえたのなら、ありがたい限りである。ゆっくり進んで大森駅東口に着いたのは、11時であった。

971111.jpg 大森駅を出ると、ここからが自転車リレーの正念場である。第一京浜沿いに、神奈川県境まで5kmほどの道をひた走る。自転車専用道がある訳ではないので、ねり歩き同様、縦一線の走行となり、なかなかの壮観である。アピールの発声はできないけれど、その分「ストップ!地球温暖化」の旗幟が雄弁に伝えてくれているのを感じた。思ったより信号が多く、それも青信号は自動車優先だから、先頭から最後尾まで一気に渡り切れない。休み休みの自転車隊は、11時30分に平和島、11時45分に梅屋敷、11時50分に京急蒲田、といった具合で、「ねり走り」状態だった。抜き去って行く車のうち、何台の車にアピールが届いたかはいざ知らず、遅々とした中にも、確実に京都まで走り継ごうという意志が駆け抜け、沿道に何かを残していったことだけは確か。これは誇っていいことだと思う。予定していたJR蒲田駅での街頭アピールは、こういう訳で神奈川へのバトンパス時刻までの余裕がなくなってしまったため、見送り。そのおかげで12時きっかりに六郷橋に到着した。この時同時に、世田谷区役所から多摩川沿いに走ってきた別の自転車隊と合流できたのは、ちょっとしたドラマだった。連合神奈川の車の先導を受けて、川崎市役所に着いたのは、予定通りの12時30分。バトン自転車は又しても前に通され、大拍手を受けることになる。大田区役所で場慣れしたので、今度は晴れ晴れと歓待を受けることができた。排気ガスと座り慣れないサドルとの戦いはあったが、終わってみればどうということもない訳で、心と体を動かした心地よさと適度な疲れがそれを上回った感じである。それにしても大腿部が痛い...

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