随筆「東京モノローグ2012」(11−12月期)
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埼京線と言えば205系。2013年度以降、徐々に引退。第366話 205系→E233系

ネーミングは微妙だが、「ヒットの芽」としては納得度が高かった「洗隊レンジャー」第367話 ヒットの芽さがし〜ヒット性商品のアクセシビリティレポート

第2回「神田カレーグランプリ」の準グランプリ店、シディークの「2色カレーセット」第364話 神保町カレー

7/20、JR山形線沿線で見かけたインパクト系3点第365話 表現は自由

第367話 ヒットの芽さがし(2012.12.16)

 明らかなヒット商品を追うよりは、その手前くらいのを見つけて、いち早く使ってみることでヒットを後押しする方が面白い?という人も多いだろう。そういう人にピッタリな情報源があり、筆者は主にRSSでチェックしているのだが、「はて、そのヒット性やいかに?」と訝しく思うものが実はチラホラ。まぁ良くも悪くも「日経」である。感度的にはイイ線行っているのかも知れないが、あくまで「儲かる」「売れる」の観点がメインで、マイナス面やクレーム面は決して出さない・・・ならば、その辺を自分なりに検証してみようと考え、(1)RSSで収集した中から、実際にアクセスできそうなものをピックアップ → (2)一覧化したものを手に実際に店頭などへ → (3)(手に)取る、(何らかの形で)撮る、など → (4)まとめ、と相成った。2013年、果たしてどのようなものが流行った( or 流行りかけた)か、そんな振り返りにもなれば、と思う。

 その情報源の名は「ヒットの芽(日経トレンディネット > TRENDYヒット研究所 内)と言う。おことわり書きのように映るが、その趣旨は下記の通りである。

『ヒットの芽』は、これからヒット商品に育ちそうな商品を、幅広い分野から見つけ出し、読者の皆さんにお届けするコーナーです。大きく成長し花開く「満開」となるか。誰もが知る「8分咲き」か、まだまだこれからヒットしそうな「5分咲き」となるか、ぜひお楽しみください。

 2013年1月から12月半ばまでで筆者が一覧化した「ヒットの芽」アイテムは、文具第357話掲載分)を含め120超(*ごく限られた中でヒットしているもの、そもそもの発想が感心しないもの、ここで取り上げるのが憚られるものなど相当数見送ったが、それでもこの数)。そのうち現物にアクセスできたのは、その半分程度。このアクセスの低さ加減にはいろいろな要因が考えられるが、概ね次のようなものだろう。

(1)一般消費者が手軽に買える商品の場合、ちょっとでもヒットすれば「ヒットの芽」では済まない売れ行きになる可能性があるため、手に入りにくいものをあえて選定している
(2)筆者が探しに行った際は、すでにヒット済み、つまり単なる売り切れ
(3)逆に大してヒットしなかったために取り扱われなくなった
(4)慣れない商品の場合、そこにあっても探し当てられないこともある(店員に尋ねない状態でアクセスできるかがポイントなので、見つからない場合はパス)

 兎にも角にも、その現物系をここにご紹介しつつ、いつもの調子で寸評を二つ三つ。ひとつご参考まで。(同サイトに掲載された順。一応許可は得ていますが、撮影場所は伏せます。)

【文具以外】

 

品名
*「ヒットの芽」上の表記

解説等

メーカー/販売元等(略称)

参考価格(円)

備考

手ピカジェル

ポンプ式のものに加え、携帯タイプのものがあり、そっちが「ヒットの芽」扱い。ただし、携帯タイプは容器が使い捨てでもったいない上に、量の割にはお高め(某店では598円)。

健栄製薬

294〜683

ポンプ式から小分けして携帯できるようにすれば済む? そんな気もする。

Sodastream

自宅で炭酸水が作れるキット。カートリッジ式のものは80年代半ばにも出ていた。あまり新味は感じないのだが...

シナジートレーディング

14,700

某量販店では、「Soda Sparkle」というのも出ていて、実演つき

MEGANE CAMERA

「メガネの形をしたカメラ」が正解。眼鏡をかけた状態でシャッターを押せるのではなく、メガネを目に当ててパチリ、だそうな。

FUUVI

3,990

こうしたコーナーができるくらいである。総じて「トイカメラ」が流行っているのは確か。

Bee トイデジタル8mmムービー

その名の通り、8mmの・・・と行きたいところだが、あくまで「8mm風」。ウソは不可ない。

4,830

ボグルフラッシュ

詳しい仕掛けは不明だが、5文字の英単語がランダムに出てきて、その出題の単語になればOK、ということらしい。5文字の単語には強くなれそうだが、それ以外は?

ハスブロ

4,515

量販店の玩具売場では3,380円!

ライフウォーターバッグ

背負うタイプの「災害時用給水バッグ」。なかなかのアイデア品だが、このように高い位置にあってはちょっと...(某百貨店にて)

あおぞら

1,260

書店でも取り扱っているのがウリだが、肝心の書店各店では売切だったり、見かけなかったり...

「世界史」文庫版

こうした書籍が売れるのは結構な話ではあるが、「では高校時代など、授業での世界史はどうしていたのか?」という話も出てくる。いっそ教科書をこうしたものにすればいいのでは、とも思う。

中公文庫

各1,400

 

tacook

「ごはんとおかずが同時にできる!」炊飯(?!)器。店頭での表示には愛称「tacook」は出てこず、「マイコン3合」などとなっている。(愛称から機能が推測しにくいのが一因か) 「炊食器」の方がよかった?

タイガー魔法瓶

10,800

中を見させてもらうとこんな具合。ちと心もとない。

OVO(オヴォ)

写真右側がその「卵調理器具」。表記は「OVO」だが、(ovo)のように書くと何やらフクロウの顔文字のようになってしまうのが難点。ルクエゆえ、当然のようにシリコンだが、電子レンジ(=マイクロ波)での調理前提というのは少し考えた方がいいだろう。

ルクエ

1,890

 

ねむり時間計 HSL-001

どうにも不思議な器具だが、「加速度センサーが寝具の動きを検知。布団に入ってから眠るまでにかかった時間や睡眠時間など、その人の睡眠パターンを記録・・・」で、指定の時間帯の中で「体が起きる準備を始めたタイミングでアラームを鳴らしてくれる」んだそうで。試してみないことには何とも言えない一品。

オムロン ヘルスケア

6,000

同じ店で、違う時季に調べてみたが、コーナーの大きさに変化なし。それなりに売れているのだろう。(当店では4,380円)

DVD付き 実はスゴイ! 大人のラジオ体操

前掲の「世界史」同様、授業などでそのメカニズムなどがしっかりわかっていれば、大人になってから改めてどうこうでもないだろう、と思ってしまう一冊。それにしても「DVDで見るラジオ体操」って・・・「DVD体操」でいいような気がする。

講談社

1,260

 

計量みそマドラー

大匙1&2が両端についていて、クルっとやるとその量が掬えるスグレもの。味噌に限らずに使えれば、1,575円は高くないかも知れないが、やはり高い? 似たような趣旨の商品が隣にあるのがまた悩ましい。

オークス

1,575

 

へそゴマカラメトール

使い方は「みそマドラー」に似ているが、対象が全く異なる。そこまでして取るのか?という疑問が一つ、価格は使用頻度に見合っているか?という疑問がもう一つ。

素数

1,890

 

ジョゼフジョゼフ カット&コレクト

トレー付き俎板。スライドするとトレーが出てきて、切った食材をそこに移して、あとは鍋でもフライパンでも、という設定。食材が俎板上でおとなしくしていればいいが、切っている最中にあちこちに行ってしまう傾向がある人には不向きか。

ジョゼフジョゼフ

1,995

 

memopri

テキスト文などをラベル状にして出力してくれる簡易印刷機。PC専用が4,980円、PC+スマホ対応が6,980円。PC+手書きというタイプもある。テープはカートリッジ式で多種多様。使い方を考えてから買わないと持て余す可能性は大。

カシオ計算機

電子文具という括りなので、某書店の文具売場でも発見

神保町えらべる帳(ノート)

オリジナルのノートが作れるサービス。表紙に個性を投影できるのはいいが、要は中味。ノートの枚数は40枚(80ページ?)なので、単純に計算するとページ単価は13.75円になる。価値あるものを書き留めよう!となれば高くはないと思うが...

三省堂書店神保町本店

1,100

ノート図柄なしのシンプル版は980円

のっけるふりかけ

食べるラー油の進化系? ラー油よりはマシは気はするが、この形状で「ふりかけ」というのは無理があるような...

丸美屋

263

某スーパーでは238円だった

シングルステップスケール Animal circle

シングルステップ、つまり片足で計れる体重計。コンパクトではあるが、体重計本体は300gあって、やや重め。

阪和

1,780

デザインは、シマウマ、キリン、ウシの3種。これら動物の体重をつい計りたくなるが、測定可能なのは150kgまで。

くるく〜るエコFan

夏向けのアイテムなので、12月に現物を見つけるのは困難。ならば、と恒例「エコプロダクツ」に細君に行ってもらい、見事コンタクトに成功。ハンドル1回で100回転! 電池不要なのでエコグッズという扱いである。

タカラトミー

630

昨夏、献血ルームでいただいたのは「Mist Fan」。こちらは電池式だが、羽の回転が弱くイマ一つ。「エコFan」がプレゼントで出てくる日は遠くない?

家メシ道場

1食100円、1カ月の食費1万円以内、「大人の自炊力検定」...あれこれ書いてあるが、意味不明なのは「給食系男子」。自分で作って自分で出すのが給食なのか?という素朴な疑問を覚える。

ディスカヴァー・トゥエンティワン

1,050

ちなみに「給食 危ない 本」で検索すると、何冊か売れ筋が出てくる。給食系も危ない?

本音×建前カルタ

読み札にウラ(本音)・オモテ(建前)があり、どっちを読むかは読み手次第。お正月の余興はこれでキマリ?!

やのまん

1,575

 

光るレインポップ

傘の取っ手に付ける滑り止めアクセサリー。バラエティショップで実際に見つけたのは光らない方(347円)。

カゴメディア

525

 

楽しく回すだけ! エアなわとびダイエット

何軒か探してようやく見つけた一冊(というか一巻)。通常の縄跳びとはひと味違う「エアなわとび種目」というのがあるそうで... 試してみたい気もするが、1,980円という価格がちょっと。

学研パブリッシング

1,980

 

スマーピー

いわゆるスマホ向けアイテム。背面に取り付ければ、指2本で固定でき「もう落とさない」となる。片手での操作がしやすくなる一方、操作に夢中になる可能性も高まるため、本人がどこかに落ちてしまったり、という心配も出てくる。

アイピーフォー

1,450

 

50℃洗い

類は友を呼ぶ、の一例。トレンディで紹介の一件は、この写真では左に当たる。「50℃洗いのすべてがわかる本」が中央で、右は「50℃洗いレシピ」。これも一種の「フードファディズム」ではなかろうか。

小学館

880

 

ドラえもん ふしぎのサイエンスVol.1

「手回し発電タケコプター」がとにかくウケたんだそうで。創刊号なので、まず見つからないだろうと思っていたら、案外残っていた。実は「ヒットの芽」止まりだったとか?

1,500

 

マイクロタブ

「ミニチュア版バケツ」との触れ込みだが、バケツというよりはランドリーカゴに近い。使い道はいろいろ考えられるが、別にこれである必要はないだろう。もっとお手軽なのでよければ百円ショップでも手に入る。

スペースジョイ

210

 

終電ごはん

売れているのは、ネーミングが良かったせいだろう。だが、そもそも終電で帰宅できたところで、そんな真夜中に何かをいただくというのはお世辞にも健康的とは言えない。(一応、ヘルシーな一皿と書いてはあるが)

幻冬舎

1,000

 

3M 落下抑制テープ[書棚用]GNシリーズ

開けてみればその正体がハッキリすると思うが、この状態だと何とも。書棚の手前部分にこれを貼っておくと本が飛び出るのを抑えるんだとか。(→右枠、動画参照)

住友スリーエム

976〜4,200

ののじ ママミエール

周囲の光を集めて先端が光る耳かき(電池不要)。イエロー、クリア、オレンジの三色があり、某店舗では耳かき部門の1位(クリア)、3位(イエロー)だった。よく見えるのはいいとして、耳かきのやり過ぎは禁物。「ママミエール」のママは、おそらく「光の射すまま、よく見える」から、と考えないとパパが可哀相。

レーベン販売

1,260

材質は、ポリカーボネート。強度はありそう。

サントネージュ リラ

ペットボトル入りワイン。2009年にメルシャンがすでに出している(→参考ので目新しさはない。(価格例:720mlで458円)

アサヒビール

 

洗隊レンジャー

使う時は適当な大きさにちぎって使い切る新感覚石鹸。「お風呂をもっと楽しく変えちゃうヒーロー、その名は洗隊レンジャー!」ということらしい。五色のラインアップは、ズバリ「ゴレンジャー」と同じ。ただし、黄色以外は何らかの着色料(合成系?)を使っているのが惜しまれる。包装は生分解性のラップのみの「減装商品」であること、コーン由来製品であること、800円中20円はチャリティ(震災支援)になること、など評価ポイントは少なくない。

LUSH

800

お店は至って開放的。入りやすいのはいいが、入ると店員さんがすぐに声をかけてくる点、要注意。

おいしいバランス

食べられるバラン(弁当仕切り)自作キット。バランとバランスをかけるのは悪くないが、単に「おいしいバランス」とだけ聞くと何の商品だかわからないのが残念ポイント。

アーネスト

980

 

目もとエステ

何とも評しようがない製品。店頭でこのような状態で展示してあると、ドキリとさせられる。

パナソニック

18,000

こちらは類似品。 いっそ「目元レンジャー」とかのネーミングで出してはどうか、と思ってしまう。

クラフト チーズでごはん!?

第306話に通じるネーミング商品。こっちが"?!"を付したいところ、先手を打つが如く「チーズでごはん!?」と来た。その答えは実食しないとわからない。

森永乳業

190

 

ティッシュボックス ルテラ

ティッシュを取り出す→噴水部分にティッシュを載せ、ボタンを押して湿らせる、という品だった。必要に応じてウェットティッシュにする、という点ではいいが、仕掛けは至って安上がり。1,980円の価値があるかどうかは使用頻度によるだろう。

アーネスト

1,980

 

パンダおにぎりベビー

"キャラ弁"ほどの凝りようではなさそうだが、いわゆる食べる側の視点(または食べやすさ)にどれだけ配慮したか図りかねるキット。完成したパンダが上出来だと、子どもはあまり食べようと思わないのでは?と要らぬ心配をしてしまう。切り取った後の海苔の行方も気になるところ。

980

パンダ製品、しかも中国製というところがまた笑えるようなそうでないような...

ゆびさきトング

NHKの某情報番組でも紹介されたんだとか。ネイルアートをしている人向け、ということだったが、別に誰が使ってもいいような・・・

オークス

1,365

 

ジャポネ ライススチーマー

この手の商品、家庭雑誌の付録でも簡易式のがすでに出ているので、わざわざこの値段で買うか?という疑問が。

旭金属(メトレ フランセ)

3,150

 

液体塩こうじ

似た商品名がいくつかあり、特定するのに時間がかかる。おそらくこの左写真ので合っている筈だが...

ハナマルキ

400

ハナマルキからはこのようなタイプの塩こうじも出ている。液体状だとは思うが、ジェル式か。

ネガティブな言葉をポジティブに変換 ネガポ辞典

先の「本音×建前カルタ」の逆のような辞典。中をパラパラ繰ってみたが、わりとありきたりというか、さほどインパクトがあるとは思えなかったような...(^^; (と、ついネガティブになってしまう筆者である)

主婦の友社

1,050

 

イーカイロスティック

スティック型バッテリー。カイロ、LEDライト、スマホバッテリーの1台3役。同時に3役使いたくなった時にどうするかが悩ましい?

エレス

3,675

 

【文具】

第357話では「ヒットの芽」から11品をリストにし、その一部について写真付きで紹介した。今回はその際に載せそびれた写真を含め、7月以降分を掲載する。

 

品名
*「ヒットの芽」上の表記

解説等

メーカー等(略称)

参考価格(円)

備考

UD封筒

文具店などあちこちで探すもなかなか見つからなかったのがこれ。UDはもちろん、ユニバーサルデザイン。宛名が書きやすくなっている点は確かにUだが、日々の買い物レベルでお目にかかれないというのは果たしてUなのか?という疑問は少々。(写真は、「エコプロダクツ2012」の同社ブースにて、細君撮影)

山櫻

210〜420

大手バラエティショップの封筒売場でもUD封筒は発見できず

SELTZER セブンイヤー ボールペン

SELTZER製だが、日本では「十一」という輸入会社が販売。見つけにくそうだったが、ちゃんと出てきてテンションUP。ただし、価格はそれなり。1,260を7で割ると、1年180円なので、通常品と同じ?!

SELTZER

1,260

 

ふせんサプリ

別名「アロマ香る付箋」。試してみないとわからない訳だが、売場ではこの通り密閉状態。

ニチバン

336

 

ippo! うずまきグリップ

鉛筆用グリップ(コイル状)。包装に関しては[プラ]云々と出ているが、肝心の本体は、何の素材でできているのかわからなかった。

トンボ鉛筆

126

 

鉛筆シャープ

「鉛筆のような書き心地 太芯シャープペンシル」である。この逆、"シャープペンシルのような鉛筆"がもしあったら、「シャープ鉛筆」か。どっちみち何とも紛らわしい一本。

コクヨ

189

某書店の文具コーナーでは、対応する芯が並んで売られていた

ケズリキャップ

空のペットボトルを用意し、フタの部分にこれを取り付けると鉛筆削りになるという仕掛け。妙案のように思えるが、削った木屑を入れる容器が鉛筆本体よりも大きくなる?というのはアンバランスというか、ナンセンスというか...

シヤチハタ

315

中はごく普通の鉛筆削り

ココフセン・カード

小さな付箋は紛失しやすい、カードタイプにすればそんな悩みは解消!ということらしい。付箋は補充できるようになっているが、かえって手間か?

カンミ堂

525〜609

 

プレフィール 3色ホルダー/4色ホルダー

ありそうでなかったのが、自分で好きな替芯を選んで1本で3タイプ、4タイプにする、という筆記具。替芯は、ジェルタイプのものも充実しているが、売場ではペン先を下にせざるを得ないため、ジェルがどれもポタッとした状態になっていて、ちと気がかり。よく確認してから買う可し、である。

ゼブラ

157〜210

文具の世界のいつものパターン。1社がいいのを出すと、すぐに他社が追随してこの通り。替芯選定の際はメーカー(ブランド)名をしっかりチェック!

ポスト・イット 強粘着ロール

セロハンテープの素材が紙になったもの、と考えればいいのかも知れない。むしろこれをセロハンテープ代わりに使う、というのもアリか。

住友スリーエム

493〜598

 

ひみつ付せん

伝言部分を隠せるのがウリ。ただし、これを使う時点で、何らかの秘密があることが周囲に伝わってしまう点が惜しいところ。

デザインフィル(MIDORI)

357

 

MONO2way

消しゴム+修正テープ。いずれも交換式なので、隣には詰め替え品がしっかり並ぶ。

トンボ鉛筆

315

某書店の文具コーナーでは、「シャープもボールもこれ1本!」のキャッチコピーつき専用ラックが

プチちょき

これは便利!と飛びつきたくなるが、空港の手荷物検査でどうなるかが懸案事項。

サンスター文具

357

 

MONO smart

細い消しゴムは昔からあったような気もするが、smartと名付けたのがよかったようで...

トンボ鉛筆

105

 

ユラシャ

名前だけ聞くと何の件だか見当つかないが、「転がりにくいシャープペンシル」と枕詞がつけば辛うじてわかる? どちらかと言うと、学童用文具。

315

 

 2011年4月の「ヒットの芽」では、「ヒットした針なしステープラー『ハリナックス』が進化、8枚とじが可能に」というのが出た。その進化する前の5枚versionを先日いただいて、筆者はご満悦中。自分の持ち物としてトレンディ品が入ってくるのがこのような感じなので、実物を買うとなると、どうなることやら...

 そう、今回このように調べるだけ調べて、自分で買った品はズバリ、ゼロ!なのである。(^_^)


【見つかりそうで見つからなかった系】

 とりあえず、品名に該当記事のリンクを付けてご紹介する。どこかで再調査してみようとは思うが、アクセシビリティ的に高難度なため、乞うご期待、とは言えなかったりする。

動く仏像(海洋堂)(→先行モデル / LUMINARA / Chemistry Quest(ケミストリークエスト) / TOWEL for PILLOW / クラッシャブル ランタンシェード / アイスクリームスプーン / Ray-Pod / 無塩醤油SOY-ZERO / おふろでらくがき!墨汁せっけん / Kebo / 牛角 凍らせてもおいしいキムチ / 塩糀 顆粒タイプ / 生姜しぼりました / 小学館の図鑑NEO きのこシール / トーストシーズニング / iコロコロ / セメダインBBX ...

 「動く仏像」は見つからなかったが、ペーパークラフトの阿修羅像は発見!

  LED関連商品も実に多彩。しかし「LUMINARA」「ランタンシェード」「Ray-Pod」は見つけられず...

 ケータイ or スマホの画面クリーナーも多々。コロコロタイプの「iコロコロ」は、量販店、ケータイショップ、アキバ系雑貨店などあちこち探したが、結局遭遇できず。

 「きのこ」関連書籍はこれだけある。残念ながら「きのこシール」は「在庫なし」

 「セメダインBBX」は、「貼ってはがせる粘着剤」「液体の両面テープ」というのが売り文句。よく売れているせいか、こうした「はがせる両面テープ」等のコーナーでも見かけることはなかった。


 さて、今回の「ヒットの芽」、何が大変かというと、その紹介のされ方である。記事という体裁で言えばこれでいいのかも知れないが、「どこ製のどんなジャンルの何が、どこでいくらでどのように売られている」、即ち、「品名」「品目またはジャンル」「メーカー名」「販売方法」「価格」といったごく基本的な事項が読み取りにくいことこの上ないのである。つまり、情報のアクセシビリティにまず難あり。で、何とか表形式にしたことで探しやすくはなったが、実際にお目にかかれない品がこれだけ出てくるとなると、現実的なアクセシビリティにもまた難あり、である。品揃えが多い店であれば、見つけるのに確実性は増す。が、一方、その豊富さゆえにすぐに見つからない、というまた違ったアクセシビティ難も・・・。「ヒット」と定義してくれるのはいいが、当該アイテムを手にできなくては元も子もない。当たり=ヒット、である。その人に当たらない以上、ヒットというのは有り得ないのだ。「ヒットの芽」、皆さんも重々ご注意を。

 よかったことがいくつかある。こうした探索がきっかけで、これら日経的なヒットとはまた異なる様々なヒット商品が実は数多くあることを認識できたという点、そして、今回のようなきっかけ があれば、普段は足を向けないような場所にも入り込むことができ、(買う・買わないは別にして)何らかの刺激が得られるという点、である。情報から入るのもいいが、むしろ現場(量販店やバラエティショップなど)を先にして、自分で「これは!」と思ったものをピックアップするのも手。

 発信源となり得るお店には、定期的に足を運び、時間をかけてウォッチングしたいもの・・・以上、年の瀬近づく折ではあるが、ちょっとした所感まで。


【おまけ】

 日経トレンディ本誌の最新号(2013年1月号)は、【巻頭特集】として、日経トレンディが使って選んだ買いの逸品「発表! BEST 101」が掲載。こちらは確実にヒットした(と思われる)もので、「ヒットの芽」ではない。

 2011年12月号(2011年11月4日発行)に出ていた「2012年ヒット予測ランキング」は、こんな具合。「ヒットの芽」との相関性が少しはあってもよさそうだが、パッと見、ほとんどないから不思議なものである。この手の予測ネタは、どこかでフォローしてほしいものだと常々思う。

広州発・成田行き ANA HN934便の機中で撮影(2011.11.8)

 

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第366話 205系→E233系(2012.12.1)

 デビューしたての頃は新鮮でも、年が経つにつれ陳腐になり、他の路線では新しいのが走っているのに"マイ路線"にはなかなか来ない... 鉄道車両、特に通勤型ではこういうことがある。

 我らが埼京線が正にこれで、いろいろと先駆的・実験的な取り組み(6扉車、女性専用車両、防犯カメラ車両etc.)がなされる割には、車両の入れ替えについて後手の後手。中央線の快速列車がずっと古いままだったのがE233系に置き換わった(2006年12月〜)のを見て、そろそろ埼京線も?と思っていたのがちっとも叶わず、その後のE233は京浜東北線(2007年10月〜)、東海道本線(2008年3月〜)、常磐緩行線(2009年9月〜)、京葉線(2010年7月〜)、高崎線(2012年9月〜)と先を越されるばかり。

(参考)中央線快速の推移:第208話ではまだ旧型 → 第230話ではE233が主流に

 満を持して、という観もあるが、待たされた...が実感。何はともあれ、2013年度からいよいよ埼京線にE233系が入ってくる。(発表があったのは今年4月(→PDF)。待つのは1年、ということになる。ちなみに横浜線は2年待ち…)

 待った甲斐があるとすれば、JR東日本の車両としては初となる車内照明の全LED化、(205系と比較して)1編成あたりの定員の増(埼京線E233・10両編成は1,564人で140人増し)、消費電力量のカットといった点。当然、205系にはなかった車内ディスプレイ(+自動アナウンス)、ロングシート両脇のパーテーションと握り棒、抗菌吊り手など、埼京線利用者には初体験となる設備がついてくるのも見逃せない。りんかい線向け「東京臨海高速鉄道70-000形」が埼京線を走るようになってからは、車内環境面で多少は救われるようになったが、何となく圧迫感があるのが欠点で、筆者はむしろ205系の方が落ち着くこと多々。だが、205系とE233系とで比べれば、やはり後者だろう。期待は大きいのである。(ちなみに、りんかい線車両が埼京線を走り始めたのは、早いものでちょうど10年前の12月1日。)
りんかい線70-000形とJR埼京線205系*参照 → 第126話 / 「りんかい線全線開業 埼京線直通運転開始 10th ANNIVERSARY」サイト

 第230話の「車両改正」のくだりでも書いた通り、退くことがわかると見方が変わるというのがある。長く馴染んでいるせいもあるかも知れないが、その古さ故にいい味を出していると思う点がいくつかあって、(1)外観がとにかく頑丈な感じ、(2)座席もどっしり→しっくりくる、(3)車掌アナウンス(人力系)が都度入るので、ある意味安心...少なくともこの3つは大きい。

 まだ早いが、以下に埼京線205系の各種画像を並べつつ、振り返ってみる。(引退後は保存版?)

 定員は144人

 冷房装置が巨大なのも特徴

 ひと昔前のPCディスプレイのような物体が荷物棚にあるがまた妙味(1・10号車で見られる)

 埼京線名物、防犯カメラ

 節電のためには蛍光管を間引きする必要があったが、E233では全て直管のLEDになるため、元から省エネに。こうした光景も見納め?

 7人掛けロングシート。この色調の良さが落ち着く感じにつながっていると思われる。(座幅は、お一人43.6cm。E233では46cmになる。)

 座席少なめ、扉は多め…「6扉車」

 アナウンスが女性の声でリアルタイムで入るのもまた205系ならでは

 左の車両(70-000形)よりも右の205系の方が筆者的にはベター

 (参考)「号車別混雑状況」・・・防犯カメラ設置は1号車、6扉車は2号車

 さて、これまでも何度となく触れているが、スムーズに動いてくれない(特に朝)のが埼京線である。11月の最終週も、強風や車両点検云々で少なくとも2日は出勤時間帯に目立った遅れが発生していて、「云わんこっちゃない…(-_-)」の世界。それを見越していた訳ではないが、その週は埼京線を使わずに済ませる行き方(=赤羽まで徒歩!)で通し、支障なし。実に快適だった。

 朝はやってほしくない「埼京線 遅延」

 11/28は京葉線が一大事だったが、埼京線も便乗するように「遅れ」(一時は見合わせ)

 本来なら退く前にできるだけ205系に乗っておきたいところではあるが、何しろハイリスクなので、悩ましい限り。E233が入ってきたら、混雑時でも多少はゆったりする筈だが、きちんと動いてくれないことには意味がない。少しでも快適に過ごせる工夫(空気洗浄、強制換気、車内緑化など)をするか、いっそのこと、遅延、停滞を前提にした車内設備の充実(具合が悪くなった乗客向け、休憩コーナー(半個室)の設置、横になれるスペースの確保など)を、と思う。

 あとは、第360話にも記した通りである。車両の新造は大いに結構だが、他にすべきことが為されて初めて、新型車両も活きる、というもの。とにかく楽しみに待つとしよう。


  • おまけ1:「E233」二選

 二俣尾から軍畑へ。奥沢橋梁を走る奥多摩行きE233。青梅線の奥まった辺りにE233!である。

 埼京線よりひと足先に高崎線で走り始めたE233(→参考。写真は、運転初日(9/1)の下り一番列車(841M)高崎行き。赤羽8:12発。

  • おまけ2:横浜線の205

 埼京線同様、横浜線の主力も205系。その205系(8両編成)が何と新橋に登場。「鉄道開業記念号」として、10月14日の鉄道の日に新橋〜横浜〜大船〜横須賀〜大船〜桜木町と運転され、ちょっとした話題になった。通勤型車両が団体専用列車になるというのは極めて異例。埼京線の205系はあいにくこうした出番はない。

 鉄道開業140周年記念企画の一つ。ツアー扱いなので、乗車するには「旅行代金」がかかる。大人1人5,000円!(発車シーン(動画)こちら

 出発前にちょっと失礼して、車内からホーム(横断幕)を撮影

  • 参考情報:205系概説

 朝日新聞出版の「週刊 JR全駅・全車両基地」に、205系が何度か登場。既刊分から引用させていただく。

 211系と同じ1985(昭和60)年に登場した通勤形電車。軽量ステンレス車体とボルスタレス台車、走り装置など211系との共通点も目立ち、国鉄が進めていた“標準化”を体現したシリーズとなっている。新製時は山手線に投入され、余剰となった103系は、沿線開発が進み乗客が急増していた武蔵野線などの輸送力増強にあてられた。そのため、205系は2年3か月の国鉄時代だけで368両が製造されている。そのほとんどの340両がJR東日本に引き継がれ、今でも多くの線区で主力車両として使われ、鶴見線での3両編成から、埼京線での10両編成まで、線区の輸送特性に応じた連結両数で使われる。(1号より)

 1985(昭和60)年から製造された通勤形車両で、88(昭和63)年9月から緑と黄緑のラインをまとい、横浜線にも導入された。現在の車両の所属は全車が横浜支社鎌倉車両センター。6扉車のサハ204系100番台を2号車(横浜方2両目)に連結した8両編成で運転されている(1編成のみ連結なし)。JRの6扉車はホームドア設置にともなって山手線からは姿を消し、2012(平成24)年4月現在、埼京線、中央・総武緩行線、横浜線で活躍するのみとなった。しばらく車両の動きがなかった横浜線にもE233系の投入が発表され、205系の勇姿が見られるのも、あとわずかとなりそうだ。(3号より)

 国鉄が103系に代わる通勤形電車として開発した205系のうち、京葉線用として製造されたバージョンは、先頭車前面にFRPを用いてデザインを変更するなど意欲的な車両となった。長く京葉線の主力として活躍し、最盛期には10両編成12本、120両が京葉車両センターに配置されていた。外房線、内房線などへの直通列車に充当されていた時期もあったが、E233系の増備によって運用範囲が減少。2011(平成23)年9月末をもって京葉線から撤退した。現在は8両編成に組み直され、車体側面のラインカラーをオレンジ色に改めて、埼京線、山手線からの転入車とともに武蔵野線で運用されている。(15号より)

 

  • こちらもどうぞ...⇒ 205系関係

第263話 新線の延伸(F線レポート 後編) / 第328話 東北新幹線全線復旧

 

第365話 表現は自由(2012.11.15)

 誤記や誤表示については、第279話だったり、言い回しについては、第315話だったり、今年は書体ネタとして、第349話のようなものも出してみた。で、今回は、それらとはまたちょっと違った観点で、「インパクト(驚き・懐疑など)を伴う、コピーや表記、または媒体」を集めてみることにした。第339話でもいくつかそうした例を載せたが、その続きと言うか、ここ半年ほどのまとめである。

 以下、春先〜最近の順で、単純に並べてみる。一つご笑覧のほどを。

 とある「ブックフェア」で見かけた超高額古書、大型奈良絵本「すみよし物語」。その額、¥15,000,000!

 赤羽駅東口から、埼玉高速(またはメトロ南北線)赤羽岩淵駅へ向かう場合の案内図。「赤羽岩」なのがポイントの一つだが、そのフォントがまた妙味。(一見、繁体字と見紛う印象)

 4/28、幕張メッセ「ニコニコ超会議」会場にて。インパクトもさることながら、センスもなかなか。踊ってみたくなること請け合い?!

 「本日どれでも手巻一本」でまず目を引き、その下の「90円〜150円」で現実を突きつける。「どれでも」と来たら、普通は単一価格になる筈だが...

 「街をきれいに!! by 超音波洗浄器」といった趣。いい宣伝になりそうだが、誤解を招くおそれ大。

 販売指定を受けているのが国産牛(松阪・近江)ながら、店名は京城。韓国風国産焼肉店?

 

 6/26(火)の14時頃 →

 9/27(木)の14時過ぎ ↓

 千代田区議会議員の在室状況(推移)はこの通り。出払っている日もあれば、副区長のみ不在の日もあったりでいろいろ。(全員揃う瞬間をできれば撮りたいと思う今日この頃)

 10/15(月)の14時頃

 

 7/20、旅先でのまとめ(→参考

 「お菓子ある?」「おかしない、ならあるよ」「?」・・・というやりとりが期待できる、可笑しなお菓子「笑内」(→参考

 職場近所の蕎麦屋にて。「店主怪我のため当分お休み・・・」、店内の札は「準備中」。

 "サゲイスト"さんが数字(1の位)を取り下げようとしてしまった件。(この時点では、¥168→¥160?)

 アロマテラピーと「江戸の和菓子」に挟まれた格好の「IMF世銀総会」。扱いが平等という点で拍手!

 7ケ国語の音声ガイド! しかし、その表記が7ケ国語で出ていない!(利用者獲得にならないのではないかと...)

 「あら、かわいい!」は高好感度。せっかくならその隣の三田線イベントもひと工夫ほしかった。(例)「会いたい、見たい、三田線!」など

 とやかく云うつもりはないが、「ときめく(ときめき)」と「片づけ(片づく)」を入れ替えると何となくブラックになってしまうことに関係者は気付かなかったのか、と思ってしまう。

 岡山駅を出たバスの何台かで見た表示・・・「すみません回送中です」

 岡山電気軌道 小橋電停は、乗り場が道路(色部分)。車の往来に注意して、電車を停め、素早く乗り込むのが流儀。

 岡山県真備町の川辺本陣跡近くで見つけたインパクト看板。「とにかくお願い致します」、この切実さはいったい...

 「ごんごバス」の路線案内(右)の隣には、中鉄北部バスの貼紙(左)。その文面には「こんごとも・・・」。ごんご vs こんご?(津山の広域バスセンターにて)

 水道橋、11/12の19時前。総武線の「秋葉原・千葉・東京方面」に何と「新宿」行きが出現!(「回送」と出すべきところ、いろいろ乱れていたようで…)

 "Morning@Sakura Cafe" その価格にビックリ!(320円で食べ放題・飲み放題はexcellent!)


・・・と、改めて眺めてみて、インパクトについて考えてみる。見る側がインパクトを受けるということは、出す側もある程度意図してやっている可能性はあるが、大概は偶発的なものだろう。受け手が認知することでそこにインパクトが生じる、と言ってもいいかも知れない。そして、何らかのインパクトがそこにある以上、多少怪しまれようと、それを記録し、時にはこうして載せることで、社会の一面・一片を表出できる、そんな気がしている。

 機械的な表示等も含め、とにかくこれらは「表現」でもあり、出す側が表現と意識している場合、そこには「表現の自由」がある。では、意識していない場合はどうか。第三者が呼応し、それを表現と心得て、価値を加えることで成り立つ。そこで発せられるべき一言は、「表現は自由!」・・・ということになるだろうか。

 こうしたものに出くわすのは、偶然かも知れないが、筆者としては必然。今後も日々、追うなり、撮るなりしようと思う。そこにあるのは、表現を受け止める自由である。

 

第364話 神保町カレー(2012.11.1)

 神田と言えばカレー、しかし、そこで言う神田とは神田神保町であり、即ち、カレーと言えば神保町とするのがより実態に近い(と思う)。かつて猿楽町の事務所に通っていた頃は、カレー各店へのアクセスもよかったため、その一端に接することはできたが、2004年6月に「まんてん」、9月に「メーヤウ」、12月に「ペルソナ」といった程度で、他の名だたる店は、店の前を通ることはあっても入った試しなし。カレーチェーン、C&Cがこの頃は神保町に2店あったので、そこには何度となく行ったが、筆者が猿楽町を離れたのに合わせるように両店は撤退。もとより神保町界隈とご無沙汰になれば、当然同地のカレーとも縁遠くなる。

 奇しくも、「出没!アド街ック天国」で、「東京カレーのおいしい街」を放映したのが2003年2月、「神田神保町」については、2004年1月である。予備知識を得てから、猿楽町に来たようなもので、何かのご縁と言えなくもない。逆にこの後、同番組でカレーと神保町が出てきていないことを考えると、番組の切れ目が何とやらになっていた感はある。

 番組ホームページによると、「東京カレーのおいしい街」の1位はズバリ「神田」。そのまま引用すると、

【ボルツ】

<元祖激辛カレー>
元祖激辛カレーの専門店。辛さは1〜70倍までが選択可能です。
主流は2倍の甘口から5倍の辛口です。

■ビーフカレー(20倍) 1100円

【エチオピア】

<日本のインドカレーの理想形>
ここのカレーはご飯と合うインドカレーを目指しています。
12種類のスパイスを配合し、香り豊かなクローブを効かせています。

■野菜カリー 930円

【共栄堂】

<スマトラ島のカレー>
大正13年創業のカレー屋。売りはスマトラカレー。特徴は香辛料を炒め、粉を使用しないことなどです。
初代がスマトラ島のカレーの作り方を教わり、日本人の口に合うようにアレンジしました。

■スマトラカレーポーク 800円

【まんてん】

<ボリュームたっぷり!>
店名の由来は神保町は学生街なので学生のお客がテストで100点満点が取れるように。そして社会人になって、満点の星のように光り輝いて欲しい、という期待を込めるという意味です。
カレーの味はまさにお袋の味といった昔懐かしい味です。ボリュームは学生でも満足の大盛りです。

■カツカレー 550円

【元祖YAGURA】

<月に2回しかない白カレー>
夜は居酒屋、昼はカレー屋と2面の顔を持つ店です。25年居酒屋をやっていますが、4年前からカレーをスタート。
隔週金曜日にしか出ない白カレーが食べられるお店です。

■ホワイトカレー 780円

【トプカ】

<具が大きい! 激辛!>
店名の由来は「トップ・クオリティー・オブ・カリー」の略です。
インドカレーと欧風カレーの両方が味わえる店です。

■えびカリー(欧風) 980円

【ボンディ】

<元祖欧風カレー>
店曰く「欧風カレーの元祖」です。昭和48年に高島平に「インンディラ」として開店、その2号店として昭和53年にボンディが開店しました。
ここの御飯には一工夫してあり、御飯を炊く時、「秘伝濃縮スープ」を3杯入れています。これによって御飯にも独特の味が染み込みすごくおいしくなります。

■魚貝カレー 1600円

注)トプカは淡路町、ボルツは神田錦町、それ以外はいわゆる神保町エリアにある。

 「神田神保町」編はどうか。2位が「カレー激戦区」である。以下、引用。

このエリアにはカレー専門店が30店舗以上あります。

<ボンディ>

欧風カレーの元祖。
ご飯を炊くときにブイヨンを入れており、ご飯にも味があります。

<メナムのほとり>

タイカレーの店。
14年前にオープンしました。
シェフはタイ人で、日本人に合わせて辛さを抑えています。

<まんてん>

日本のカレー。
学生がテストで満点を取れるようにと店名をつけました。
コップにスプーンを入れるのは、効率化の為に行っています。

<シャトー>

日本のカレー。
カレー350円にもかかわらず、大盛り、お代わりが自由です。
さらに生卵もついてきます。
大盛りご飯は丼2杯半くらいのボリュームです。

 といった具合。このうち、今は存在しないのが、「元祖YAGURA」と「シャトー」。他は今も健在なので、フラリと行けばこんな感じで撮ってくることはできる。が、未だ「ザ・神保町カレー」と言える店には行っていない。今年から再び神保町出勤生活が始まっているが、それでも、である。

 [エチオピア] 駿河台は富士見坂の上。こちらは裏口。

 [エチオピア] 正面入口に出ているメニュー例。こうして見ると、決して割高という訳でもない。

 [共栄堂] ポーク(900円)、チキン(1,100円)、エビ(1,300円)、ビーフ(1,300円)、タン(1,600円)・・・

 (参考)日地出版の「東京 激安ショップ ガイド」(1988年1月発行)にもなぜか共栄堂が登場。"激安"に反する気もするが、名店は媒体を問わないということか。当時のお値段、ポーク(700円)、チキン(900円)、海老(1,100円)、ビーフ(1,100円)、牛タン(1,300円)である。

 [まんてん] 8年前に一度行ったきり...

 [ボンディ] 奥まった場所にあるビルの二階にあるが、昼下がりに行っても店内は満席。イスがこうして並べられていることが人気店である何よりの証し。(お値段は高め)

「店が多くて迷うな〜」 ごもっとも!(「公式ガイドブック」からイメージ部分を抜粋) とにかく数多あるのが神保町のカレー店。一つ一つ当たっていくのも悪くないが、一定の目安が必要だ。(「アド街」基準は上述の通り)

 さて、10月は神保町が祭りづく月である。古本まつり(第53回)、ブックフェスティバル(第18回)、スポーツ祭り(第18回)などと並んで、「神田カレーグランプリ」(こちらは第2回)なる催しが開かれることを知り、機を同じくして「神田カレー街 公式ガイドブック」というのが出て、カレー情報が一気に充実することになる。

 ガイドブックとグランプリ出場店リストとを見比べて、良さそうな店に足を運べばいい。これまで行かなかったのは、この時節を待っていたから、という方便も可能。いや、せっかくグランプリイベントがあるなら、そこでまず何軒か実食すべし、だ。神保町カレーの今、がわかるだろうし、普段はお高くて入りづらい店も、この時ばかりは少なからずお安くなるので、チャンスである。が、しかし! 肝心の名だたる店の出場がない?!

14時過ぎ、「入場制限中」 カレー通ではないので何とも言えないが、出場する中で挙げるなら、「レストラン七條」、「オオドリー」、「チャボ」、「マンダラ」あたりか。だが、これら神保町界隈のお店なら、ランチタイムに行けば済む話ではある。となると、神保町以外の店に行くべきか。神田駅近くなら、「NaTuLa」(自然食レストラン)、末広町なら、「どっと混む.com」(店名の妙からつい・・・)。ムム。ともあれ、10/27(土)の昼下がり、会場の小川広場に到着。何となく予感はあったが、「入場制限中」で、場外は大行列。場内も随所で列ができているのがわかった。座って食べるスペースもいっぱいらしく、外で食べる人がチラホラ。よく見るとテイクアウト用の何とも軽薄な皿と食器である。お値段400〜600円とは言え、あまりお値頃な印象は受けない。かくして、一旦その場を離れ、他の催事を見て廻って、となる。

 [NaTuLa]自然派チキンカレーは不発な感じ

 [インド料理どっと混む.com]はこの通り

 当会場での「完売」は、票数との関係からするとあまり望ましくない可能性が

 [シディーク]このインパクト、このリーズナブル感!

 グランプリ会場は17時まで。閉場15分前に再度来てみたら、楽々入ることができた。チェックしていた七條やオオドリーは列長めにつき見送り、NaTuLaは量少なめで600円と高めにつきガラガラ、どっと混むはちょっとした列になっていて、名は体を・・・状態。時間が時間なのでSOLD OUT店も多かったが、雰囲気は概ねわかった。今回はこんなところで、と会場を後に…だが、とある行列店に弾みで並ぶことになった。閉場5分前に列に加わり、閉場時間をちょっと過ぎた頃合でそのワンプレートを手にする。「シディーク」提供の「2色カレーセット」、500円である。店名にどこか覚えがあったのは、職場最寄のカレー店だったからで、これまで入ることがなかったのは、店構えが独特なのと、ランチメニューの設定がよくわからなかったためである。

 [2色カレーセット]いかにもテイクアウト風だが、「準グランプリ」というだけのことはあると思った

 ブックフェスティバルの出店でも「シディーク」は頑張っていた。「2色カレーセット」も提供。ただし、こちらは700円。

 オオドリーもチャボもなく、食べ比べは叶わなかった訳だが、一つシディークを試すことができたのは収穫。神保町を中心にどんな店があって、どんな感じのカレーを出しているかも多少はわかった。当地でのカレー人気の程もよくわかり、じっくり開拓してみる気になった次第。そんな客が一人でも増えたという点でまず、グランプリは成功と言っていいだろう。

投票箱。全部で24。 グランプリなので、買って食べた人には投票行動が取れる。その結果(→参考は、下表の通り。

  • グランプリ
    「マンダラ」


 ランチタイムでもいいお値段(1,000円台)

  • 準グランプリ
    「シディーク神保町店」


 メニューが複雑なので、立ち止まって読み解いていると店員が声をかけてくる → で、結局よくわからず...

  • 第3位
    「レストラン七條」


 ビーフカレーは1,000円。見ての通り、カレー店というよりは洋食屋である。

 SOLD OUT店は不利、より多くを捌いた店が票を集める、そんな気もしなくはないが、試した店が「準グランプリ」となれば大目に見るしかない。2年連続で"準"というのがまたシディークらしいが、とにかくランチで行ってみるとしよう。

 で、他はどうか。よくできたもので、「公式ガイドブック」には巻末にクーポン(19店で利用可能)が付いている。クーポンが使えて、グランプリにも出店して、というのを前提に、ランチ時に職場からアクセス可能な範囲(かつ、クーポン利用で割安感が出る)で挙げると、次のようになる。

オオドリー神田駿河台店

 「エチオピア」とお隣

シディーク神保町店

神保町バルBILBI

スパイスキッチン

 「オオドリー」「エチオピア」と来て、「スパイスキッチン」と続く。当店、富士見坂の上(角地)にある。

ナンカレー神田店

 神田店となっているが、住所は西神田。即ち神保町である。

ムアン・タイ・なべ

 5月に行って以来ご無沙汰中。小径を挟んだ隣には「マカン」と「メナムのほとり」がある。「マンダラ」も近くにあり、4店いずれも系列店。

神保町交差点近くにある「ガヴィアル」。今回初めて知った。 とりあえず、この6店をこなし、あとは名店(または老舗)か、お手軽店のさらなる開拓か... ちなみに、いわゆる老舗で、まだ入ったことがないのは、共栄堂(1924年〜)、ボンディ(1973年〜)、ガヴィアル(1982年〜)、エチオピア(1988年〜)、マンダラ(1990年〜)、トプカ(1994年〜)の6店である。(ちなみに、まんてんは1981年〜、ペルソナは1984年〜)

 

 名店はやはり敷居が高いというか、価格面もあって入りづらいものがある。だが、ふと秋葉原にあるアトレ一階の一角を思い出し、立ち寄ってみたところ、「な、ナンと!」状態。「東京カレー屋名店会」、そこには、エチオピア、共栄堂の名前が。トプカも含め、ここならとりあえず、である。いや、やはり本場、神保町でいただくべきか... 悩める11月、「カレーの秋」の時節である。


【参考情報】

  • 1.お手軽カレー、比較表

  • 2.「神田カレー街 公式ガイドブック」には載っていない系

 上表の明治大学(スカイラウンジ暁)、千代田区役所食堂(ハーベスト)の他、専修大学の「ラ・ポルト・ノアール」、東京堂書店の「Paper Back Café」もお手軽系。(カレーがメインメニューではないので、公式ガイドブック対象外)

 明治大学のチキンカレー(300円)。この時は白米切れにつき、特別に五穀米version。

 千代田区食堂では「カレー祭り」を開催。10/17に行き、ヒレカツつきポークカレーをいただく。

 専修大学カフェのカレーセット(500円)。

 Paper Back Caféのテイクアウト式カレー。ドリンクとセットで580円。

 以下の2店は、「公式ガイドブックに載ってもよさそうだが、載らなかった気になる系」

クラフトビアマーケット(BEERカレー)

 (→参考記事

MOTHER'S(ベジタブルカレー)

  • 3.公式ガイドブックに出ていて、クーポン券もあるが、腰が引けてしまう系

 「マンダラ」「メナムのほとり」など。要するにこの「WEST INDIA」(西インド会社)グループ4店のうち、3店がちょっと...

  • 4.ガイドブックに出ていて、クーポン券もあるが、店がなくなってしまった・・・

 「みんなの豚カレー」

 グランプリを前にして、まさかの撤退?!

 

  • こちらもどうぞ...⇒ カレーが出てくる話題

第106話 横浜週末 / 第235話 古き佳きナチュラルレストラン / 第257話 外食におけるアップダウン / 第281話 ランチビュッフェ / 第337話 見本以上か未満か同等か

 

 

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