随筆「東京モノローグ2004」(3−4月期)
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第159話 加速する市町村合併〜とどめておきたい市名・町名 / 第158話 ザ・総額表示 / 第157話 家電品の省エネ性 2004 / 第156話 使用済み乾電池

第159話 加速する市町村合併(2004.4.15)

 第88話では「都市再編」の題で書いた。今からすると新しい都市の誕生を悠長に眺めていたものだなぁと思う。一つの町が成長し、人口規模が増えたところで市に昇格する、かつてはそれをドラマのように見ていた訳だが、第17話から6年、第88話から3年(偶然にも71話周期)が経ち、当時も十分に合併加速の予兆はあったが、ここへ来て「市になる」ということの意味がすっかり変わってしまったようだ。

 2004年4月1日を以って、新しい名称を伴って誕生した市は、阿賀野市(新潟県)、東御市(長野県)、伊豆市・御前崎市(静岡県)、京丹後市(京都府)、養父市(兵庫県)、四国中央市・西予市(愛媛県)の8つ。特例(人口3万人以上でOK等)で昇格したところが多く、筆者的にはドラマ性をあまり感じない。今後も、見たことも聞いたこともないような斬新(あるいは摩訶不思議)な名称の新市が続々誕生するだろう。全国的に当分の間、地名・市名で混乱しそうな予感がする。

 書き換えや貼り替えの手間はかかるが、特に印刷やディスプレイ関連業者に及ぶ経済効果がどうのという議論もある。社会的コストと特定業種の景況とを秤にかけたところで、あまり意味がないだろう。コスト負担の方がはるかに大きそうだ。

 当該自治体の皆さんの労力は計り知れないものがあるが、住所・番地が商売道具の配達・運送関係の他、全国で名簿データや住所録データを扱っている団体や個人の手数も甚大。Microsoft®−ACCESSなどのデータベースソフトで逐一変更をかけることになるが、クエリを駆使したところで、人手はかかる訳だし、煩雑なことには違いない。(日頃からきっちりメンテしていないと、一斉置換(更新クエリ)がかけられない。) 筆者が関わる荒川クリーンエイド・フォーラムの名簿データも「さいたま市」の区名を入れ直すのにひと苦労だった。かつての職場、グリーン購入ネットワーク(GPN)でも今頃きっと会員名簿の更新でバタバタしているのではないだろうか。(おつかれ様です。)

 もっとスローペースで、新旧対比を全国に周知するような形でやってもらわないと、とてもじゃない。(取り急ぎ、早見表としては、国土地理協会の「最近の市町村変更」「市町村合併情報」あたりが良さそう。総務省の合併相談コーナーは総合的。)

 市町村合併(通称「平成の大合併」)の流れは、地方分権推進と地域アイデンティティ保持の葛藤を生む。由緒ある名称を消してまでも合併に走る真意はどこにあるのだろう。合併して大きくなることが、地域の豊かさに直結するとは思えない。自治体名称に帰依する地域への愛着や一体感、「地元学」に代表される地域志向...そうしたものを尊ぶ方が長期的に考えれば自治体財政を救うことになるのではないかと思う。だが、合併を通して、地域の見直しや帰属意識が高まるのなら、それも良しとしたいところ。「地域の時代」の真価が試されていると思えばいい訳である。

 もちろん、頑なに「町」「村」であり続けることを良しとするところもある。ご当地&地名ブランドが確立されている場合は、それを捨ててまでして、新市名に変えることもない。こうした発想は地域力の担保になる。旅行者や観光客はそのあたりを評価したいものだと思う。(頑なには理由がある。そこには必ずその土地ならではの良さを秘めているはずである。)

 周辺で合併話が盛んに持ち上がっているが、それには一線を画し、涼しい顔で見守っていると思われる(?)「町」の例...(北から順に)

岩手県前沢町、秋田県羽後町、福島県磐梯町、群馬県甘楽町、新潟県聖籠町、石川県野々市町、福井県三国町、長野県信濃町、愛知県七宝町、三重県木曽岬町、滋賀県米原町、島根県東出雲町、広島県坂町、山口県玖珂町、佐賀県玄海町 など

 よく見ると、町名そのものがメジャーなところが多いような...。

 駅名の改称はどうなるのだろう? 市の中心部にある駅を、その土地固有の名称から市の名前に改めた例は少なくない。(JRの場合、楯岡⇒村山(山形県)、平⇒いわき(福島県)、神足⇒長岡京(京都府)、下田⇒香芝(奈良県)、白木原⇒大野城(福岡県)、加久藤⇒えびの(宮崎県)など。さすがに博多を福岡に改称することはないだろうが。)
《*参考:http://www.izu.co.jp/~k-hirano/after-jr.htm

 市が増えたり、新しい市名ができるのに伴い、駅名も変遷していくことが予想される。(あえて変えない場合もあるだろうが。) その一方で、合併前に旧町名・村名を残すための改称も増えるだろうと思われる。

 JR常磐線の川尻が十王に改まったのは、町名保存の典型例だろう。日立市と十王町は今秋には合併し、十王町が地図から消える。十王を駅名だけでもとどめたい、というのが正直な理由と思われる。それにしても、長良川の鵜の供給源となっている「十王の鵜」は、今後「日立の鵜」に変わってしまうのだろうか?(鵜がHITACHIブランドになってしまうようで...)

 駅名改称を追いかけるには、時刻表の路線図がいいだろう。都市の推移についても目を配るのなら、JR時刻表ではなくJTB時刻表。JTBの路線図(索引地図)では、都道府県庁所在地の駅は二重四角(回)、市役所の最寄り駅が二重丸(◎)で表示してあるため、鉄道路線上、どこに市があるかがすぐわかるようになっている。(JRの路線図は、都道府県庁所在地の駅を二重丸(◎)で表示しているのみ。[例:東京都の場合は新宿が◎]

 市が増えたり、減ったりする度に見直さないといけないから、JTB時刻表のルールだと今後しばらくは大変そうだ。(筆者のような利用者にとっては、ありがたいが。)

 という訳で、こうした情報を参照しながら、筆者が気になるところを中心にまとめてみることにした。(消え行く市町村名を少しでもとどめることができれば、というのが動機。) なくなる前&名称が変わる前に探訪するもよし。旅先の目安としてなど、何らかのお役に立てていただければ幸いである。

*町名がなくなっても、市名として継承される場合は外した。
*法定の合併協議会ができただけのところは除く。
*すでに市名が決まっていたり、合併や市制施行が具体的になっているところのみを記する。(その後の調べで、協議が白紙になってしまったらしいところも含む。)

(協議会設置どまりの初期段階のものを含めると、全国で相当な数の有名町名・村名が消えることになりそうだ。)

 

市名

合併・編入時期

新市誕生後の市役所最寄り駅(2004年4月時点でハッキリしている駅のみ記載)

*市名と駅名が異なる場合は赤字で示す。

消失する(した)主な市町村名

*メジャーだったり、美感だったり... 惜しまれる名前の数々。

備考

  • 岩手県

大船渡市

2001年11月

大船渡
(JR大船渡線)

三陸町

 

 

  • 秋田県

大仙市

2005年3月

大曲市

 

にかほ市

象潟町

象潟は「奥の細道」で有名。

 

  • 茨城県

日立市

2004年11月

十王町

 

取手市

2005年3月

藤代町

 

 

  • 栃木県

那須塩原市

2005年1月

黒磯市

 

 

  • 埼玉県

さいたま市
(岩槻区)

2005年3月

岩槻市

与野(Y)+大宮(O)+浦和(U)に岩槻(I)が加わり、これでめでたく"YOU&I"が完成?

ふじみ野市

上福岡市

筆者が川越在住時には、上福岡駅と自宅をバスで往復することが多かった。なじみがあるだけに動向が気になるところ。

 

  • 千葉県

野田市

2003年6月

野田市
(東武野田線)

関宿町

利根川と江戸川の分岐点(千葉県最北端)の町がなくなってしまった。

外房市

大原町、御宿町、勝浦市

いずれの市町もメジャーなだけに、合併構想は結局白紙に?

 

  • 東京都

西東京市

2001年1月

田無
(西武新宿線)

田無市、保谷市

 

 

  • 新潟県

佐渡市

2004年3月

(鉄道なし)

両津市、相川町、小木町

できれば大合併する前に足を運びたかった。

魚沼市

2004年11月

小出町

小出は信越線と只見線の分岐駅として名高い。

新潟市

2005年3月

白根市、豊栄市、月潟村、新津市

政令指定市移行への布石と思われる。

 

  • 富山県

南砺市

2004年11月

利賀村

「利賀フェスティバル」は有名。

 

  • 石川県

能美市

2005年2月

根上町

何かと話題の「ねあがりまち」。

 

  • 福井県

春坂市

春江町の「春」と坂井町の「坂」を組み合わせた結合ネーミングを模索していたようだが。

 

  • 山梨県

南アルプス市

2003年4月

(鉄道なし)

白根町、若草町

 

甲斐市

2004年9月

竜王町、双葉町

 

北杜市

2004年11月

白州町

小淵沢町は入らない見込み。

 

  • 長野県

千曲市

2003年9月

屋代
(しなの鉄道)

更埴市、戸倉町

 

東御市

2004年4月

田中
(しなの鉄道)

東部町の「東」と北御牧村の「御」を組み合わせた結合ネーミング。「とうみ」と読む。

 

  • 岐阜県

瑞穂市

2003年5月

穂積
(JR東海道本線)

穂積町

 

郡上市

2004年3月

郡上八幡
(長良川鉄道)

八幡町、美並村、明宝村

 

恵那市

2004年10月

明智町

 

美濃加茂市

2005年1月

美濃太田(JR高山本線) *推定

八百津町

八百津は、名鉄八百津線の終点だったことで知っていた。(2001年9月廃線・廃駅)

高山市

2005年2月

清見村

 

岐阜市

2005年3月

羽島市、笠松町、北方町

小さな町を呑み込むような形で合併。(名古屋市周辺は相変わらず小町村が残存)

ひらなみ市

平田町、南濃町、海津町から一文字ずつとって、「平南海」のはずだった?

 

  • 静岡県

伊豆市

2004年4月

修善寺
(伊豆急行)

修善寺町、天城湯ヶ島町

 

御前崎市

2004年4月

(鉄道なし)

浜岡町

御前崎原発に改称されるかどうかは不明。

 

  • 三重県

いなべ市

2003年12月

楚原
(三岐鉄道)

大安町

縁起のいい大安町が消失。

伊賀市

2004年11月

上野市

甲賀市と対抗?

 

  • 滋賀県

甲賀市

2004年10月

信楽町

伊賀市と対抗?(いっそのこと、越県合併して「忍者市」とか「しのび市」にする手もあったのでは?)

湖南市

2004年10月

石部町

東海道五十三次の51番目「石部」消失。

 

  • 京都府

京丹後市

2004年4月

峰山
(北近畿タンゴ鉄道)

網野町、久美浜町

網野浜は「鳴き砂」で有名。

 

  • 兵庫県

南あわじ市

2005年1月

(鉄道なし)

緑町

 

豊岡市

2005年3月

城崎町

 

 

  • 島根県

益田市

2004年11月

美都町

 

松江市

2005年3月

島根町、宍道町

県名も消えてしまいそうな合併話。

 

  • 岡山県

瀬戸内市

2004年11月

長船町、邑久町、牛窓町

趣のある町名がなくなってしまう。

あかいわ市

2005年3月

山陽町

山陽市になりそうだが、郡名を優先するとこうなるようで。

 

  • 広島県

安芸高田市

2004年3月

吉田口
(JR芸備線)

美土里町

 

府中市

2004年4月

府中
(JR福塩線)

上下町

 

尾道市

2005年2月

御調町

 

 

  • 山口県

周南市

2003年4月

徳山
(JR山陽本線)

新南陽市、徳山市

新幹線も含め、今は徳山駅だが、将来的には周南駅に改称されてしまうのだろうか?

 

  • 香川県

さぬき市

2002年4月

志度
(JR高徳線)

志度町

いずれも駅名では残っているが、改称されたらそれまで?

東かがわ市

2003年4月

讃岐白鳥
(JR高徳線)

白鳥町

 

  • 愛媛県

新居浜市

2003年4月

新居浜
(JR予讃線)

別子山村

別子銅山が有名。

四国中央市

2004年4月

伊予三島
(JR予讃線)

川之江市、伊予三島市

 

 

  • 高知県

四万十市

2005年3月

中村市、大方町

大方には砂浜美術館がある。

黒潮市

2005年3月

須崎市

 

 

  • 福岡県

宗像市

2003年4月

東郷
(JR鹿児島本線)

玄海町

佐賀県の玄海町は存続。

 

  • 佐賀県

唐津市

2004年10月

肥前町、鎮西町、呼子町

 

湯陶里市

2005年3月

武雄市、嬉野町

温泉と陶器の里ということだろうが、「ゆとり」というのは随分と捻ったネーミング。

小城市

2005年3月

三日月町

 

 

  • 長崎県

対馬市

2004年3月

(鉄道なし)

厳原町

 

五島市

2004年8月

(鉄道なし)

福江市

 

島原市

2004年11月

有明町

 

 

  • 熊本県

宇城市

2005年1月

三角町、不知火町

 

天草市

(鉄道なし)

本渡市、牛深市

2004年3月に「上天草市」が先行して誕生。本家天草はどうなる?

 

  • 大分県

中津市

2005年3月

耶馬溪町、本耶馬溪町

 

日田市

2005年3月

中津江村

カメルーンのW杯合宿地として一躍メジャーになったのに。

 

  • 鹿児島県

鹿児島市

2004年11月

桜島町、喜入町

喜入は石油備蓄基地で有名。

 

市名

合併・編入時期

新市誕生後の市役所最寄り駅(2004年4月時点でハッキリしている駅のみ)

*市名と駅名が異なる場合は赤字で示す。

消失する(した)主な市町村名

*メジャーだったり、美感だったり... 惜しまれる名前の数々。

備考

 

  • (繰り返しになりますが)こちらもどうぞ...⇒ 新しい市を考える

第17話 浦和・大宮・与野... / 第88話 都市再編

 

第158話 ザ・総額表示(2004.4.1⇒3)

 *年度の変わり目でバタバタ...&今回の調査に少々手間がかかり、掲載が遅れました。失敬。

 消費税が導入されてから、ちょうど15年。もう、そんなに経ったの!という声が聞こえてきそうである。早いものだ。1989年、学生だった当時、消費税導入と同時にマメに家計簿を付けてみたりしたが、今にして思えば、消費税に物申したかったというか、筆者なりの小レジスタンスだった気もする。2年ほど経って、順応してしまってからは、出納帳を付けることもなくなってしまった。(行動記録帳の方は、1986年からロングラン中。)

 4月1日からなので、エイプリルフール表示と揶揄されそうな話だが、何はともあれ消費税相当額を加算した形で価格表示する「総額表示」が消費税導入15年を経てようやく(?)始まった。本体価格がわかりにくくなるため、これを機にした便乗値上げがどうのという話もあったが、3月と4月で同一店舗・同一商品の価格比較をするほどの余裕がなく、今回はあくまで表示方法がどう変わりつつあるかを調べるにとどめた。

 本体価格のみの従来の表示と税込の総額表示とが、3月までは確かに混在。4月以降も混在が目に付くようだ。
←(一方で、こんな潔いPRをするドラッグストアも...)

 100円ショップが店名に偽りあり?になってしまうのは気の毒な限り。各社とも表示方法に苦慮しているのがよくわかる。「105円ショップ」と衣替えする訳にはいかないから、「あくまで支払額はこれまで通り」と訴える他はないようだ。

 近場の100円ショップ各店を比べてみると、

  • D:大変正直な表示で好感が持てる。だが、100円プリクラは5円をわざわざ足す訳にもいかないだろうから、ワンコインのままで通すようだ。

100円プリクラはもともと総額表示?

  • C:表示方法が変わる云々といった表示は特になかった。開き直りだろうか。

  • S:看板に手を加えていたのはここくらい。何ともイジマシイ。

  • スーパーDの中の100円コーナー:100円と105円の表示が混在。もたついている印象を受けた。

 99円ショップでは、総額表示では104円と打っている。筆者が気付いた頃には、すでに104円の表示が付いていて、比較するどころでなくなってしまった。少なくとも2月までは103円だったので、104円というのは、実質値上げのようなものである。

 だが、4月1日に値引品を2つ買ったら、こういう計算結果になった。

【(99−20)×2×1.05=165円!】

 本体99円の正価品を2つ買うと、単純に104×2=208円になる。だが、79円のものを2つ買ったのに、83×2=166円という勘定にはならなかったのである。

 99円に対しては104円と言い切っているのに対し、値引品は【79×1.05=82.95円】の総額表示としたいところ=つまり83円とは打たなかった。158円に対しての課税(×1.05)だったので、165円で済んでしまった。値引きの上に、さらに1円得した訳だが、これでは何ともわかりにくい。

 電器量販店などでのポイントカードでのポイント還元額も、本体表示・総額表示の混在型だと混乱しそう。

 総額に対してポイントが付く場合は、割引感があるが、税抜価格に対してポイントが付く場合は、総額表示の場合は不利になる。

 総額2100円(税抜2000円)の商品に対して、Bカメラでは、ポイント10%の場合、200円のポイント額になるが、Yカメラでは、税込価格に対してのポイントなので、210円と表示できる。

 ポイントを還元する場合は、総額1050円の商品に対して、上記の額をそれぞれ適用すると、

  • Bカメラ:(1000円−200円)×1.05=840円

  • Yカメラ:1050円−210円=840円

 で両店とも同じ。仕掛けが違うために、片方は総額表示が有利に働き、もう片方は不利に働くようになってしまうのである。

 だが、4月2日に冷やかしのつもりで見に行ってみたら、Bカメラも税込価格に対してポイントを付けるシステムに変わっていた。しかも、これまで蓄えていたポイント(税抜価格相当)には自動的に1.05をかける処理をしたんだそうな。おそるべし。

 消費税導入前のように、表示価格を足していけば会計でそのまま支払える、つまり会計時間が短縮化できる点は歓迎したい。財務省のパンフレットにも、「いくら支払えばその商品やサービスを購入できるか、値札や広告を見ただけで簡単に分かる」「価格の比較も容易」「煩わしさ解消」と言いことづくめ。これで果たして本当に、第139話で記したような「待ち時間」節約などにつながるかどうか... 飲食店でも、やたら1円単位の表示が目に付くようになったが、これではかえって煩わしいような気がしないでもない。1円玉・5円玉をきちんと用意してから会計に臨む人が多数派とはとても思えないし...(自慢じゃないが、筆者は財布の中に1円玉が5枚以上入ることはまずない。)

 さて、スーパー大手 I堂は、第29話「消費税還元」の文末で記した通り、「心配なのは、日頃の奉仕価格を取り下げて、還元分を吸収すべく一部の商品で値上げでもしやしないか〜」と危惧したのが大当たり。当時、消費税還元セールの際に失策(価格調整というか欺瞞)が出て、ひと騒ぎだった。今回はその時の汚名返上も兼ねてか、「割高感解消」と打って出た。前回お騒がせの「不況突破」に続き、またしても明確なメッセージである。

 表示価格に対して、単純に10%減額すればいい訳だから計算がしやすい。確かに割高感払拭に効果がありそうだ。

 4月1日、試しに298円の買い物をしたら、298−298×0.1=268円となった。値引額(29.8円)の小数第1位を四捨五入?して、客に有利になるように計らっている点は感心した。(298−29=269円にはならなかった訳である。) まぁ、この手の喧伝には踊らされることなく、冷静に総額表示とその妥当性を見つめ、吟味しながら買い物したいものだと思う。

  • 参考情報 ⇒ スーパー各店の店頭表示(左:D / 右:L)

スーパーDの場合

スーパーLの場合

 

第157話 家電品の省エネ性2004(2004.3.15)

 前回は乾電池。今回は家電品。エネルギー関係のネタが続くが、2月は省エネ月間だったことでもあるので、良しとしよう。

 2年前に出た「地球と生きる133の方法」のアップデート版を少しずつ、いつもの日中韓環境情報サイトが掲載しているが、ここの「地球と生きる方法」に、筆者も続編を載せることになった。(3月中に掲載予定) そのための取材結果を今回はお届けする。

Y本店での省エネラベリングの掲示 3月14日、日曜日。交通博物館での映画鑑賞会のついでに秋葉原電器街に足を運ぶ。実物を見ながら書き留めていってもいいのだが、多分に手間がかかるので、2年前同様、とにかくカタログを集めることにした。最初に入ったI電気は、省エネラベリングについての解説ボードなどの表示は見受けなかったものの、製品ジャンル別にカタログのラックが配備されていて、集めやすかった。エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、照明(蛍光灯)器具、テレビ、主だったものはここで収集。その後、S無線で何社分か補充。Y本店では照明関係と輸入家電品のカタログを中心に入手した。I電気と違い、SもYも省エネラベリングに関する情報提供はなされていて、Yの方は各階ごとに、その品目に特化した省エネ情報を掲示してあって、より熱心だった。ただ両店とも、新たに省エネラベリングの対象品目として追加された、@ストーブ(ガスストーブ、石油ストーブ)、Aガス調理機器(ガスこんろ、ガスグリル付きこんろ、ガスレンジ等)、Bガス温水機器(瞬間湯沸器、風呂釜等)、C石油温水機器(給湯用、暖房用、浴用)、D電気便座(暖房便座、温水洗浄便座)に関する情報は出しておらず、追いついていない模様。もっとも電器店ゆえに、関係するのはDくらいなものだし、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、照明(蛍光灯)器具、テレビに比べるとインパクトも弱いため、掲出していないのだろう。

 ひとまず集めてきた中で、一覧表にしたのがこちら。(「カタログでの掲載状況」が筆者調べ)

↓品目

 

省エネ性能比較実例

カタログでの掲載状況

消費電力ウェイト

普及率

平均使用年数

出典等→

(財)省エネルギーセンター「省エネ性能カタログ

達成率の開き(タイプや区分は考慮せず)

資源エネルギー庁 電力需給概要

内閣府 経済社会研究所 消費動向調査


エアコン

 

冷房能力2.2kW(6〜9畳用)の達成率と期間電気代

 

表紙で省エネをアピール

文中で省エネラベリングを表記

 

2002年

55製品平均:
82%

24,207円

51%〜141%

2/7社

7/7社

23.6%

86.2%

13.6年

2004年

42製品平均:
98%

20,736円

52%〜117%

2/9社

9/9社

24.4%

88.8%

11.1年


冷蔵庫

 

定格内容積351〜400gの達成率と年間電気代

 

表紙で省エネをアピール

文中で省エネラベリングを表記

 

2002年

24製品平均:
111%

9,794円

60%〜150%

3/8社

8/8社

16.8%

98.4%

12.0年

2004年

15製品平均:
137%

7,989円

78%〜217%

1/6社

6/6社

16.5%

98.9%

11.6年


照明器具

 

家庭用シーリング(天井直付)タイプ 8〜10畳用の達成率と年間電気代

 

表紙で省エネをアピール

文中で省エネラベリングを表記

 

2002年

30製品平均:
108%

3,996円

15.5%

2004年

31製品平均:
116%

3,674円

103%〜127%

0/6社

6/6社

15.8%


テレビ

 

スタンダード25型の達成率と年間電気代

 

表紙で省エネをアピール

文中で省エネラベリングを表記

 

2002年

34製品平均:
102%

3,326円

51%〜137%

0/7社

7/7社

9.4%

99.2%

10.7年

2004年

20製品平均:
113%

2,977円

100%〜122%

0/7社

7/7社

9.6%

99.4%

10.3年

 カタログ表紙で省エネをアピールするものは相変わらず少ないものの、カタログ文中では、省エネラベリングに関する表記は全て掲載。店頭でも、カタログのデータを引用して貼り出すケースが見受けられた。

 ちなみに、テレビに関しては、新製品・新分野に対し、制度が追いついていないのが明白だった。カラーテレビ総合カタログ中、省エネラベリングについての記載・表示があったのは、N社カタログ:52ページ中6ページ、S社カタログ:48ページ中5ページと極めて限定的。省エネラベリングの対象となるテレビ(スタンダードタイプなど)が、主流でなくなっている証しと言える。

 2年前の表と比較してわかったことは、

・達成率はタイプによって基準が異なるため、最低〜最高の幅(達成率の開き)が大きいが、蛍光灯器具とテレビについては、メーカー間の差が縮まっていることがわかった。

・達成率の平均はかなり向上。向上した分、省エネが進み、電気代平均も縮減している。

・省エネ家電の進展に伴い、買い替えが進んだ結果、平均使用年数も短めになった?

・普及率も僅かながら、軒並みアップしている。

 対象品目が増えたことは聞き知っていたが、暖房器具ばかりだと思っていた。ガス調理機器や電気便座がラベリングの対象に加わったことはきちんと認識していなかったため、この日はカタログを集めきれなかったのが失策。15日に改めて収集することにした。

 池袋のBカメラでカタログを集めてみた結果、

品目

カタログ文中で省エネラベリングを表記

ガス調理機器

2/4社

電気便座

1/5社

 まだまだ浸透していないことがわかった。電気便座で省エネラベリング表示をしていたのは、家電大手のN社。さすがである。それにしても、ガス調理機器はラベリングの対象で、電磁調理器(IHクッキングヒーター)は対象でないところが意表を衝かれる。(そもそもガス機器で済むものを、わざわざ電化する必要があるのかどうか。安全性は高いだろうが、省エネの観点からは訝しいところ。それを見越しての「対象外し」なのかも知れない。)

 家電品の全般的な傾向としては、概ね以下の通り。

・健康系・医療系の家電が益々目立ってきた。

・マイナスイオンブームは一段落した観。健康配慮を謳い文句にしたものが大勢。

・デジタル家電の勢いを感じる。特に、「新・三種の神器」(デジカメ・DVDレコーダー・フラットテレビ)の売場面積の大きさは目を見張る。だが、これらの家電品は省エネラベリング対象外。

・家庭内レジャーを支えるオーディオ・ビジュアル機器も活気を感じる。DVDレコーダーをはじめとする録画機器が元気。

 余談だが、Y本店で特設展示していた輸入家電のうち、冷蔵庫・冷凍庫関係で調べてみたら、

品目

カタログ文中で省エネラベリングを表記

冷蔵庫

2/2社

冷凍庫

1/1社

冷凍冷蔵庫

3/5社

 という結果になった。

 代理店がきちんと対応していると省エネラベリングの表示も出てくるが、そうでないと表示が付されないようで... 欧州メーカーの製品など、せっかく環境面で優れた性能を有していても、輸入代理店の理解が伴わなければ意味がない。基準を当てはめ直すのは面倒だろうが、しっかり省エネ情報をアピールしてこそ、輸入してまで販売する労も報われるというものだろう。

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第112話 家電品の省エネ性

*参考情報 ⇒ (財)省エネルギーセンター「省エネ家電等の選択のポイント

 

第156話 使用済み乾電池(2004.3.1)

 第60話あたりは、通勤の行き帰りなどで、乾電池で動くタイプの小型カセットテープレコーダーをよく使っていた。今にして思えば単3や単4の乾電池をよく消費していたなぁと思う。だが、そのまま捨てることはせず、100円ショップで買っておいたバッテリーチェッカーを当てては、まだ針が振れるからひとまず保管、てなことを繰り返していた。単3単4の電池は、目覚し時計・壁掛け時計、携帯ラジオ、テレビやビデオのリモコンでも使うが、これらは多少バッテリーが低下していても十分に動くものだから保管しておいた電池が役に立つ。テープレコーダーを動かせなくなったら、お次は時計、とかシフトして使う訳である。リモコンは微弱電流で動く。なのでリモコンの反応が鈍くなったら、さすがにこれ以上使い回すのは難しいので、一応チェッカーで針が振れないことを確かめて、電池回収箱(自家用)へ。箱がいっぱいになったら、電器店に出しに行くのがお決まりだった。

 かつての職場で、チェックが十分に済んでいない乾電池が捨ててあったものだから、これは勿体ないと思い、密かに持ち帰ってきた。ストックが十分だった上、時計やリモコンの電池を交換する機会もなかったものだから、不覚にもそれらを無造作に放置してしまっていた。一年経ったところで、ふと気が付いて見てみたら、一部は液漏れしていて、手遅れ状態。それでもバッテリーチェッカーで針が振れるものはいくつもあり、ひとまず選別して、いそいそとストックを充填し、二次使用に備える筆者であった。

 電器店行きとして蓄えていた残量ゼロ電池と、今回の液漏れ電池とを投函すべく、赤羽界隈の電器店やホームセンターを巡ることにした。乾電池処分は久々である。

B電器の回収BOX 以前はビックカメラなどの量販店で、使用済み電池であれば特に条件指定もなく、回収協力する旨、謳われていたが、最近はそうではないことを今回の件で初めて知った。B電器では、ボタン型電池・充電式電池は回収しているが、通常のマンガン電池・アルカリ電池の類は回収しておらず、家庭ゴミ(不燃ゴミ)として処分するよう、ことわり書きが付されていた。ここでは処分はお預け。使用済み乾電池は次の旅へ。

 北区の牛乳パック回収箱(サンクルポスト)にくっついている乾電池回収箱を当てにして行ってみたら、こちらも同様に家庭ゴミ(不燃ゴミ)として処分するよう促している。何でも平成7年(1995年)以降はどの電池も水銀ゼロになっているので、有害廃棄物として集めるに至らない、つまり、それ以前に発売された水銀入りの乾電池のみを集める、ということのようだ。結局、使用済み電池は処分できず、いったん帰宅することに。

北区 サンクルポスト 自宅の二次使用ストック乾電池をよく見てみると、確かにどれも[水銀ゼロ]と打ってある。これらを完全に使い切ったら、不燃ゴミとして出せばいいことになるが、どうにも腑に落ちない。

 アルカリ電池は、カリと名の付く通り、電解液に苛性カリを使っている。電池本体の防護は厳重になっているものの、もともとカリ自体は非常に腐食性が高く、漏液しやすいんだそうだ。苛性カリが漏れると機器を損傷せしめるが、人の肌・皮膚も傷める。軽度かも知れないが、危険物な訳だから、買った店なり電器店などにわざわざ持って行って処分を頼む方が無難だと思う。不燃ゴミとして気軽に出せてしまう代物ではないはず。安易な廃棄意識を持たせないためにも、特に電器店には力を入れてもらいたいものである。

アルカードにあるホームセンターでの回収ボックス その日のうちに出直して、今度はJR高架下(アルカード)にあるホームセンターへ。ここでは特に条件指定なく、使用済み電池を集めていたのでよかったが、単1・単2・単3・ボタンの4分類のみ。筆者が特に処分したい単4電池が対象外だったため、またしても持て余してしまった。(単4電池は未だ処分されず...) 中を覗くと、単3電池は大賑わい。然るべき受け容れ先が必要なことがよくわかる。

板橋区の乾電池回収箱 JR板橋駅の西口を出ると、八千代銀行が目に留まる。店頭には板橋区版サンクルポストがあって、牛乳パックと乾電池を回収できるようになっている。板橋区の電池回収は特に条件がない。これは訳あってのことなのか、単にことわり書きを付す手間をかけていないだけなのか... 善は急げ、単4電池はここに出すことしよう。(ちなみに板橋区の「ごみの出し方・分け方」を見ると、乾電池は燃やせないゴミとして例示されている。)

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第40話 待機時消費電力

 

 


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