小話#2 リニモの持続可能性

 地球市民村への通勤(?!)、今思えばいろいろと苦労がありました。筆者を含め、千種に定宿があった方は、JR中央線+愛知環状鉄道(=エキスポシャトル)+リニモ、というルートも使われたと思いますが、多少楽になる程度で、物理的な距離は如何ともしがたく、やはり東山線+リニモが主流だったのでは、とお察しします。

 東山線はまだしも、リニモについては、皆さんも思うところは多々あるでしょう。時間帯によっては、藤が丘駅での乗換時間も少なく、スイスイだったりしますが、混雑に巻き込まれる方が日常的で、シフトの時間に間に合わなかったり、ということも多かったはず。リニモに乗車できるまで、30分ならいい方で、40~50分ということも多かったと聞きます。乗り込んだ後も難アリで、途中駅から結構乗客が増えてくることもあり、藤が丘から会場までの15分前後は、東京での通勤ラッシュに慣れている人でも、苦痛だったことでしょう。

linimo.jpg 9月3日は、9月最初の土曜日。おそるおそるリニモに乗っていたら、途中から大騒ぎです。写真Aの通り、ベビーカーを担がないと乗れない状態にまで膨れ上がり、パニック寸前でした。

 スタッフ相互で情報を交換し合い、早々に行き方を工夫するようにしたところ、概ね、以下のようなルートが見出されました。(この手の情報が早くに共有できればよかったんでしょうけど...これも「持続可能性の学び」?)

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・本郷:ジャンボタクシーで西ゲート
・藤が丘:
 ・レンタサイクルで西ゲート
 ・徒歩でリニモ隣駅「はなみずき通」まで
 ・長久手町営Nバスで隣駅「はなみずき通」まで
 ・名鉄バスでリニモ「長久手古戦場」まで
 ・名鉄バスで「長久手古戦場」の手前「砂子」まで
 など
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 エキスポシャトルで万博八草を経由して、というのもメジャーになってしまい、写真C(8月2日時点)のような待ち時間0分というのは9月はなかったでしょうから、やはり藤が丘経由で考えると、こんな感じになる訳です。おかげで救われました。

 しかし、乗ったはいいが、どこで降りるかがまた悩ましく、

  1. 公園西:藤が丘から280円と安上がりだが、西ゲートまでの距離と時間が...
  2. 万博会場:藤が丘から340円と高め。北ゲートが大混雑していた際は、スタッフ通路がショートカットになって、ありがたかったが、ふだんは遠回り。

 と一長一短。帰りがまた難題で、

  1. 公園西:時間帯によっては待ち時間が長く、乗れたとしてもギュウギュウ詰め。
  2. 万博会場:ホームまでの到達時間がとにかく大変。(時には1時間待ちも)[写真B参照]
  3. 陶磁資料館南:藤が丘まで340円。座れる可能性も高いため、同じ乗るならここからが無難。でも駅までの距離が程々ある上、休日ダイヤは本数が少なく、乗車できるまでの時間が結構かかることもしばしば。
  4. 芸大通:確実に乗れるが、西ゲートからの距離は実に2km。夜道は暗く、自然の叡智というか畏怖を感じてしまうのがポイント。

 といった具合。地球市民村から旅館まで、片道2時間近くかかったこともありました。いやはやです。(いろいろ試したおかげで、リニモ全9駅中、杁ヶ池公園を除く8駅を利用できたのは幸運でしたが。)

 名古屋市交通局のかつての計画では、長久手方面まで地下鉄をそのまま延伸する予定だったと聞きます。リニモ(東部丘陵線)に計画変更したのは、先見の明があったんでしょうけど、万博期間中の大量輸送には正直なところ不向きでした。万博終了後の平常時の需要を見越して、3両編成を基本にしたのは良しとしても、それは中長期的な持続可能性の話。万博来場者にとっての持続可能性(というか持久力・耐久力?)はあまり考慮されていなかったのが惜しまれます。

 9月26日、撤収のために会場入りする一行は、再びリニモに。写真Dの通り、入場待ち行列で賑わったエリアは立入禁止になっていて、まずビックリ。乗ってからは、ガランとした車内と、広く見渡せる車窓からの景色にまたまたビックリ そこへふと車内放送が。万博期間中の混雑のお詫び、そして今後益々のご利用ご愛顧を請うものでした。往復に伴う労苦は、地球市民村での時間の中で日々解消してきたつもりですが、この放送ですっかり洗われた気がしました。リニモには本当にお世話になりました。こちらこそありがとうございましたです。