随筆「東京モノローグ2017」(1−2月期)
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 第467話 同系色スナップ  第466話 京急本線高架化、その計画素案
 第465話 眩惑の七光〜「べからず集」part23  第464話 2016年15大ニュース(後編)


 

第467話 同系色スナップ(2017.2.16)

 

 今年に入ってから、ボリューム感のある話が続いたので、今回は軽めなネタで、と思う。

 何気なく撮った写真を改めて見てみると、意外な発見があるのはごく当たり前。写真の楽しみの一つと言ってもいいだろう。撮っている時は意識していなかったが、一枚の中に収まったさまざまな要素のうち、同じ色調のものがいくつかあるといった例がある。そういうのが見つかると面白いもので、他にも例がないか、探し始める展開に。今回は、この数か月の範囲で、そんな感じのものを色別に紹介してみる。

 

赤系

 自転車で大塚駅周辺を走っていた際に、都電を追う感じで撮影。都電の車両は、8800形「オレンジ」(→参考)だが、たまたま周りに赤の要素が点在していて、赤に引っ張られるよう。オレンジ色には見えないから不思議なものだ。

 

 

 

赤と紅

 ちょっとした取材で、京急の梅屋敷へ。出かけたのは2月4日の立春。梅屋敷公園では、思いがけず梅が結構咲いていて、こうした似た色の組み合わせを撮ることができた。お題は「赤い電車と寒紅梅」。

 

 

黄色

 同じく立春当日。梅屋敷から蒲田まで歩き、東急各線を乗り継いで、世田谷線の山下へ。世田谷線に乗るのはかなり久々だったので、記念に撮ったところ、黄の車両を盛り立てるように黄色いものがいろいろと写っていた。濃淡はあるが、黄色は黄色。どれも目に留まる。

 

 

二つの緑

 2月6日は、千代田区長選の投開票日翌日。当選した現職区長の事務所の前には報道陣が待機していて、その様子を撮ろうとしたらこんな塩梅。グリーンが目立つ事務所の前に現れたのは、見るからに物々しいグリーンの車両(→参考)。同じグリーンでも、清新さを訴えるタイプと、特殊感を出すタイプとがある訳で... "色々"な使い道があるものだと感じさせる一枚。
 事務所の方は次の日には撤収。今はただの空きビルになっている。

 

 

青系

 専大前交差点を何気なく撮ってみたら、青系の看板やサインが多かったという一枚。空の青に最も近いのは、東宝土地の青文字か。(現職区長の事務所があったのは、その東宝土地の右の右の小さいビル)

 

 

白銀

 朝の新荒川大橋から、JRの鉄橋と富士山をズームで撮影。年末で空気が澄んでいたせいか、とにかく富士がクッキリしていて、ズームアップするほど鮮明に。その白々とした山容をバックに、鉄橋を進むは京浜東北線の車両。朝日を受けて銀に輝き、富士山の白と同調するかのよう。我ながら、よく撮れたと思う。

 

 

・・・

 時代は進化し、画像を自動で解析して、そこに含まれる要素を文字で表示する機能というのが実用化されるようになった。

 筆者が関わる鉄道系サイトでも、ユーザーが投稿した画像に対して、その機能をあてる試みがこのほどスタートした。(マイクロソフト社提供のサービス「Cognitive Services」を使用)

 今回の画像をいくつか試したところ、以下のようになった。(鉄道系なので、その投稿コーナーでは、鉄道車両をどれだけ認識できるかがポイント。都電と京急はNGだったため、一定の形状、一定の大きさがないと機能しないことがわかった。山下駅での一枚は、被写体が明確だったためか、車両であることのほか、その色も識別した。)

 

 今回の件を受け、「街の色彩」といったテーマで、ネタを集めてみるのも面白いと思った。集めながら、「Cognitive Services」も試すつもり。一つお楽しみに。

 


 

第466話 京急本線高架化、その計画素案(2017.2.2)

 

 東京都のリリースを見ていたら、京浜急行の泉岳寺〜新馬場の区間(約1.7km)を連続立体交差化するとの計画があって、その「都市計画素案説明会」が開かれるという情報を得た。港区、品川区の両区に関わる話なので、それぞれの区で説明会が開かれる。開催日は、港区が1月27日、品川区が28日。行くとするなら土曜の方がいいので、28日に出かけることにした。会場は、北品川駅に近い台場小学校。品川駅から歩き、その現場になるであろう場所を下見しながら向かった。着いたのは開場時間ちょうど、13時半。会が始まったのは予定時刻から少し遅れ、14時5分だった。説明会は、体育館にパイプ椅子を並べる形式。係員や説明者も多かったが、とにかく参加者が並々ならぬ数で、その椅子は追加が出る状態。少なくとも300人は来ていたと思う。関心の高さがうかがえた。

 


品川区の説明会は台場小学校で開催

説明会開会前の様子


そもそも「都市計画素案説明会」とは?

 

 聞き慣れない名称だが、説明会としては第1回目にあたるもの。案は案でもあくまで「素案」なので、この場での意見によって、いくらでも変更が利きそうな観はある。実際はかなり練られていて、ここでどうこう言ったところで変わる可能性は低い印象。それでいて、事業の影響を受ける範囲にある地権者などへの説明についてはまだ、というのだから恐れ入る。その進め方について質問が出たのはもっともな話である。

 ただし、今回の素案説明会の後には、まだまだ多くのプロセスがあって、それが結構大変。大きくは、都市計画手続きと環境影響評価手続きとがあって、それらが並行して進む。二つの手続きがまとまり、「都市計画事業認可」が下り、より具体的な説明会を複数経た後、工事は始まる。その道程はとにかく長い。今回の資料で日程的なものが出ていなかったのは、その長さゆえだろう。まずは素案で感触を探り、時間をかけて次の「都市計画案」をまとめ、そこで日程を示すということになるのだと思われる。(その後のリリースでは、工事予定期間約10年との一文が示された。→PDF

 利害のほどがまだハッキリしないこともあってか、計画そのものに対する(当事者による)反対意見は聞かれなかった。

 

都市計画手続きの流れ 工事着手までの流れ


高架化の必要性、高架に決まった背景など

 

 素案と言っても、連続立体交差化にあたっての方式や工法については決まったようなもの。地下か高架か、高架の場合、どこをどう高架にするか、といった検討はすでに為されていて、素案では高架化が有力、そしてその区間は品川駅の南側から新馬場駅の北側までというものだった。

 リニア新駅を含む品川駅の再編、品川と田町の間にできるJR新駅の整備を見据え、京急の品川駅は今の高架駅をやめ、地上駅に。そこから南へ向けて高架式にし、北品川駅も高架駅にするという。そこから先は、すでに高架化している新馬場駅とつなぐ。品川の南から新馬場の北までが新たに高架化されることで、北品川駅周辺の3つの踏切は除却。交通の円滑化、往来の活発化など、利点がいくつか示された。それはそれで大きいと思うのだが、重点が置かれているのは品川駅の整備のような気がしなくもない。品川駅での動きがまずあって、その地上駅化に際して高架化が模索され、今回の素案に至った・・・とか。

 ちなみに高架方式の事業費は約900億円。地下方式の場合は、約1,700億円とのこと。(負担割合についても、質問に答える形で説明はあった。)

 

概略図
会場に掲示された概略図
都市計画の区域
 赤線が「都市計画区間」(約2.0km)。このうち、約1.7kmが「連続立体交差化区間」になる。
高架方式の概略 構造形式の選定(高架か地下か)
国際交流拠点・品川
 冒頭では「品川駅・田町駅周辺のまちづくり」との関連の話も(まちづくり、交流…この手の取り組みでは常套句)

周辺地図もいずれ様変わりすることに

 


素案の概略

 

 改めて素案の内容について、雑感を交えつつ記す。一つご参考まで。

 

泉岳寺〜品川

 

 泉岳寺からの地下線路は、品川の北側で地上に出た後、勾配を上がって高架になるというのが現在の形。品川駅終着・始発の列車が使う「引上線」も高架にある。それら高架の部分が地平になるため、地下から地上に出るところまではさほど変わらないが、地上に出てからの勾配はなくなり、フラットになる。(なお、品川駅周辺の道路の計画の一つに「環状第4号線延伸部」(下の平面図の左側「〇 〇 〇」の箇所)というのがあり、図面によると、現在の引上線の近くを通って、JR線を跨ぐ案になっている。道路計画ありきで、地平化が出てきた可能性もある。)

 事業区間は、地上に向けての勾配が始まる「地下・掘割区間」(約0.4km)からスタートし、地上化する品川駅を含む「地平区間」(約0.3km)、品川駅の南側からの勾配に始まり、新馬場駅北側の既設高架部分までの「高架橋区間」(約1km)から成る。

 

平面図

 

品川駅

 

 高架化を前提にした場合、線路の地平部分と高架部分の高低差をいかに緩やかにするかが課題になる。北品川駅辺りの高架の高さを、品川駅の地平に合わせようとすると、どうしても勾配が急になる。今の京急品川駅は高架式。京急の線路は、その高さを保った状態でJRの線路を跨ぎ、そのまま高台にある北品川駅に入るため、フラットな感じになっている。そのフラットを撤回し、あえて品川駅を地上に、北品川駅を高架に、というのだから、考えようによっては滑稽だ。ともあれ、傾斜が急にならないよう、品川駅は北側にシフトして、両駅間の距離を広げるという。

 京急の品川駅が地上駅になる…これはJRの品川駅ホームと横並びになることを意味する。すでに東海道本線や上野東京ラインなどのホームで動きがあるが、これが徐々に波及して、現状で最も西側にある山手線のホームは、いずれ東側(今の京浜東北線ホームの位置)に移る見込み。その空いたところに、京急がホームを拡幅する形で入ってくる。今の京急品川駅は、2面3線で何とかしのでいるが、地上に移った暁には、2面4線にするという。列車の発着番線を明確にすることも視野に入れての改良になる。

 さて、京急の高架駅がなくなることで、品川駅全体の構造にも変化が生じる。説明会で出た話の一つには、今の東西自由通路が文字通り“自由”(またはバリアフリー)になり、港南口と高輪口を水平で結ぶ形態になるというのがあった。高輪方面(西口)の広場も整備するそうで、計画通りに行けば、国道15号線をも越えて、柘榴坂の中腹などに通路の出入口ができることになる。改札を出たら、ひたすら西に進むことで、品川プリンスホテルなどにアクセスできる。階段・エスカレーター、信号待ち、横断歩道の混雑、そういった要素から解放されるという話だ。

 

品川駅横断図
京急品川駅(地上駅イメージ)
品川駅東西自由通路
東西自由通路(将来イメージ)

 品川駅山手線ホーム(1・2番線)を見下ろす。将来的には、この場所が京急の品川駅になる?

 東西自由通路の西側の様子。ステンドグラスの先に、京急品川駅の高架がある。西口(高輪方面)に出るには、階段、エスカレーターで下る必要がある。

 品川駅西口。ロータリーがあり、クルマの出入りが激しい。歩道は狭く、通行しにくいのが現状。
 

 

八ツ山橋

 

 撮影地として名高い八ツ山橋。京急の線路はS字にカーブしていて、そこを通る車両は蛇行する格好になる。快特であっても徐行せざるを得ないため、その曲がりくねった姿をしっかり捉えることができるのがポイント。高架構造物は、このカーブを描く線路橋の東隣に「別線」の扱いで建造される。高架に移行すれば、この橋は撤去ということになるだろう。

 ちなみにこの鉄橋が架けられたのは、京浜電気鉄道(京急の前身)と東京電車鉄道(後の東京市電)を結ぶため。市電が乗り入れる形で、1924年に使われるようになったのだとか。京浜電気鉄道の起点は、現在の北品川駅にあたる場所で、当時の駅名は「品川」。京浜電気鉄道が国鉄の品川駅に隣接する位置に駅を設け、今の品川駅が開業したのは1933年のことだった。この時、市電との乗り入れは終了。元の起点だった品川駅は「北品川」に駅名を変えた。八ツ山橋は、そんな新旧品川駅を結ぶ橋。京急の歴史を語る上で、重要な意味を持つ。

 なお、S字カーブの方は、多少緩やかになる可能性はあるが、高架になっても引き継がれる模様。この区間での高架化は、列車のスピードアップにはあまり貢献しないものと思われる。

 


 八ツ山橋の西側。歩道部分の端には「旧東海道」の標示がある。

 歩道から撮った京急の橋梁。橋の下を行き交うJRの車両とのコラボが一つのポイント。

 京急の橋梁は港区内。道路の方は品川区との境界線が通る。

 橋梁のカーブ区間を走る京急蒲田行き(品川第一踏切から望遠で撮影)

 

北品川駅

 

 今回の事業により、高架駅になる。高さは、ホームを覆う屋根上部までで約16m(高架橋の橋脚部分は10m前後?)。見上げる感じになる。ホームは、現在の構成と同じ対面式(2面2線)。西側には「保守線」もセットされるので、構内は3線ということになる。

 気になるのはやはり、駅を取り巻く建物、家屋がどうなるのかという点。既存の線路の隣に用地を確保し、そこに高架構造物を造り、高架完成後は既存部分を撤去というのが大筋だが、「別線」というからには、「付け替え」という面もあるだろう。より広く用地を取得しないと造れないことになる。

 説明会の帰り、予定地と思しき場所をざっと見てきたが、一朝一夕には行かない観あり。長期的な事業になりそうなことは確かだ。

 

北品川駅(北側)
 北品川駅の北側(品川第二踏切から撮影)。左が下り線、その隣が上り線、右奥の分岐が「保守線」。
北品川駅(南側)
 北品川駅の南側(北品川第一踏切から撮影)。出入口は、左(西側)にしかなく、右の下り線のホームに行くには、跨線橋を渡る必要がある。
北品川駅横断図
 計画図でも、保守線は残ることになっている
北品川駅周辺整備
 南側では、駅前広場を中心とした整備計画がある

 北品川駅周辺の「まちづくり」に関するスライド。旧東海道を軸にした歴史ある街で、今更「まちづくり」?と思ってしまう。「合理化」と言い換えた方がわかりやすいと思う。

 このビジョンは、品川区が策定したもの。かなりの意気込みであることがわかる。あくまでその土地に暮らす方々が生き生きとなるようなデザインを、と思う。(→
参考(PDF))

 


現場の様子いろいろ(品川→北品川)

 


 国道15号(第一京浜)と京急本線。歩道の整備も予定されており、この付近の景観も幾分変わる見込み。

 品川車庫に向かう都バス。車庫は、八ツ山橋と京急の踏切(品川第一踏切)を渡った先にある。

 八ツ山橋(右奥が品川第一踏切)。後方の大きな建物は、京王品川ビル。

 品川第一踏切を渡るバス。いわゆる「開かずの踏切」に該当するため、踏切が除却されれば、バスの通行も円滑になるだろう。
品川第一踏切
品川第一踏切(品川方面)
品川第一踏切
品川第一踏切(北品川方面)

 開かずの踏切対策として、歩行者用の地下道がある。高架化され、踏切がなくなれば、この出入口ともども地下道も廃止?

 品川第一踏切と品川第二踏切の間。高架構造物は、この区間の後方を通る予定。
歩行迂回路の案内
 品川第二踏切にある「歩行迂回路へのご案内」。かなり遠回りになるが、長々と開かない場合はこれで行くしかなさそう...
品川第二踏切
品川第二踏切(品川方面)
品川第二踏切
京急イエローハッピートレイン」@品川第二踏切
品川第二踏切
 品川第二踏切。計画では、この立ち位置付近に高架構造物が来る。

 左の駐車場は何とかなりそうだが、問題は右のマンション。事業用地にあたれば取り壊し?
八ツ山アンダーパス
 少し離れた場所から望む京急本線。線路の下には、五反田方面と港南方面(旧海岸通り)を結ぶトンネル道(八ツ山アンダーパス)がある。高架構造物は、このアンダーパスに支障が出ない形で造られるとのこと。
北品川駅東側
 北品川駅の東側(下り線側)。説明会に出てきたと思われる男性二人が話し合っていた。
北品川駅
 この立ち位置は、高架駅の下になると思われる。地上駅としての北品川は、いずれ見納め。
北品川第一踏切
 北品川第一踏切(新馬場方面)。この方向の途中で高架が重なる格好に。既設の高架部分と一体化し、正しく連続立体化となる。
旧東海道
 旧東海道。この写真の付近は、高架化やまちづくりのエリアからは離れているが、はてさて? 左のレトロ調の建物は、星野金物店

 

・・・
 という訳で、品川界隈に行くことがあれば、足を延ばして事業区間を見に行こうと思うし、京急本線に乗る機会があれば、泉岳寺〜新馬場は特によく見ておこうと思う。あとは「都市計画案」。目が離せないネタがまた一つ増えた。

 

 

 

第465話 眩惑の七光(2017.1.15)

 

 年が変わってまだ浅いが、15話ごとの「べからず集」の回がまわって来た。今回は、夕方や夜間の路上における「眩惑」。徒歩や自転車で移動している際、向かう先にその強烈な光源があることで、移動が妨げられる、または、目に何らかの影響が生じる、そんな例を七つ取り上げる(七選ならぬ「七光」)。

 


  • 7.道路工事

 

 道路工事では、事故を防ぐ上で、様々な灯火、照明の類が使われる。視認性がいい代わりに、やたらアクションが激しいものが時にあり、迷惑に感じることも多々。車道上でそれらを使うと、かえって事故を招きそうな観もある。

 

カラーコーンに取り付けられた点滅式LED 近くで見る分にはおとなしい感じだが、これらが並んで一斉にピカピカやられるとインパクトは大。眩惑+コン惑させられる。

 


  • 6.緊急自動車

 

 これもその緊急性を知らしめる上では欠かせない工夫と思うが、ことパトカーに関しては、その赤のインパクトが妙に強く感じられることがある。出動中の場合は一過性なのでいいが、巡回の途中など、信号待ちなどでその場にとどまっている場合が悩ましい。その赤の点滅が目に沁みることと言ったら。

 



  • 5.自動車のハイビーム

 

 あえてそうしているケースもあるようだが、街中でのハイビームは、正にべからず。向けられる側はたまらない。クルマのヘッドライトは、ただでさえ眩しく、交差点で並ぶとこんな具合になる。


 以下は、ハイビームの例(いずれも右側)
ハイビームの例 ハイビームの例



  • 4.看板等を照らすスポット照明

 

 街が明るいのは結構だが、明る過ぎるのは考え物。歩きでも自転車でも、街頭や路地の明るさというのはそれほど気にならないものだが、激しく明るいものは遠くからでもわかる。その光源でよくあるのがスポット照明。

 使う側としては、客寄せやPRの心算なのだろうが、かくも眩しいと迷惑この上ない。客も寄り付かないだろうと思う。

 その眩しさは、LEDであっても同じ(むしろ強いくらい)。より厄介なのは、従来型の白熱系だ。眩しい上に熱を帯びる。角度によっては、照らしている対象をどうにかしてしまう可能性がある。とにかく近づかないに限る。

 

 LEDタイプのスポット照明の例。目に毒な感じだが、照らしているのが眼科クリニックのボードというのが何とも...


投光器のようなスポットもある(@秋葉原)

電光が似合う秋葉原。スポットの種類も様々。
(空で光るはお月様)
↓ 以下は、眩しさを感じたスポットの例






3.激しい点滅

 

 眩しいと感じるのは、その光の強さがまずある。光が点いたり消えたりというのもまた眩しいものだが、煩わしい類でもある。街中に多いのは、その煩わしい眩しさである。

 光の点滅により、目立つ度合いは増すかも知れないが、不快感が増すことにもつながり得る。ほどほどの点滅+強い光、激しい点滅+ほどほどの光量…不快なパターンはこの二つ。もちろん、激しい点滅+強い光というのもある。最強パターンだ。

 最強系を使うのは、特定のジャンルの店が多いようである。そこを通らざるを得ない時は、早足で抜けるに限る。



2.フラッシュ

 

 点滅するタイプは、電球を使ったものが多い。電球ならまだマシと思えるのは、多少は暖かみがあるからだろう。だが、暖かみも何もなく、攻撃性すら感じてしまう光を出すものがある。その名は「フラッシュライト」。

 かつて、水道橋駅西口のカラオケ店がフラッシュつきの広告物(→参考動画[フラッシュ注意])を店頭に出していて、とにかく通りにくかった。眩しさをこらえて、ライトのメーカーやタイプを調べてみたところ、「キセノン」(XEON)(→参考)を使ったものであることがわかった。今はそのライトは取り外されているので害はないが、同じタイプのものは時々見かける。街頭では何らかの規制が必要なように思う。

 

 アメ横で見かけたフラッシュ看板。静止画像ではわかりにくいと思うが、とにかくその激しいことと言ったらなかった。(ニャンとも困ったものだワン)



1.自転車のLEDライト(ハイビーム風)

 

 ここ数年、自転車のライト(前照灯)のLED化が進んできた。LEDの光は、真っ直ぐに進む特性があるので、遠くを照らす上では確かに有効。暗い夜道では威力を発揮することだろう。だが、そのストレートさがアダになり、向けられた方は目が眩むことになる。照らす向きを工夫すれば眩しくない筈だが、どうやら歩行者の目線に当たる角度になっていることが多いようだ。

 そもそも眩しい(ハイビームと同じ)、向かってくる場合はその眩しさに暫し向き合わざるを得ない、激しく点滅するタイプもある(フラッシュと同じ)...など、べからずの複合パターンと言っていいのが自転車のLEDライト。交通安全面もさることながら、製品の欠陥性云々となれば、消費者センターマターにもなる。眩しくない、または、眩しくしないための対応が、メーカーや自転車販売店に求められるだろう。

 最近買った自転車は、前輪タイヤの回転を使って点灯する通常のタイプ。眩しくないライトであることを確認した上で購入した。 

 


乗っている人に悪気はないと思うのだが...(対面するととにかく眩しい)

LEDライトの例

 

 


 

 冬至は過ぎたが、まだまだ夜が長い冬。こうした眩惑ネタには気を付けつつ、いい意味で明るい夜を過ごしたいものだと思う。

 

こちらもどうぞ ⇒ 関連する話題
第304話 LEDが眩しい / 第375話 商業地の歩道における「べからず」七選

 

 

 

第464話 2016年15大ニュース(後編)(2017.1.1)

 

 新年あけましておめでとうございます。

 恒例の一年間のふりかえり、前回に続き、「2016年15大ニュース」の後編(7位→1位)をご紹介します。(前編はこちら

 


  • 7.神保町の日常

 

 同一職場・同一業務という意味で、今のところ最長記録を更新中。2017年1月下旬には、早いものでまる5年になる。職場も基本的な仕事も同じとなれば、勤務地である神保町は、今やホームタウンの一つ。過ごし方も上達してきて、ちょっとした時間的余裕があれば、「あそこに行ってみるか」とか「そこを経由するのがよさそうだ」といった勘も働くようになった。

 平日のランチは、すっかり「ランチパスポート」(→第460話のお世話になり、掲載常連店に限れば、自分なりの推奨店も確立。昼食難という事態はまずなく、快適なランチタイムを過ごしている。ランチの前後に少しでも時間があれば、気になる店や場所をせっせと訪ね、好奇心を満たしたり、見聞を深めたり。取材メモのようなものは作っていないが、いずれ神保町を舞台にした中編などを書いてみようと思ってはいる。

 以下の写真は、そんな神保町の日常の一部。流行語の方とは意味は違うが、さまざまな楽しみや変化があるという点で「神ってる」街だと思う。

 

 神田警察通りなどで、「樹木撤去のお知らせ」なるものが突如現われ、何事かと思ったら... 結局この話自体が一時撤去(?)された。(→参考記事

 竹尾見本帖本店のイベントスペースでは、時々興味深い展示が開かれる。これは「光れ!紙展」の様子。

 8/5、書泉グランデの前を通りかかったら、何かのロケをやっていて、ワンダーコアでおなじみの女性がいらっしゃった。TVドラマ「グ・ラ・メ!」の撮影だった件はあとで知った。

 共立女子学園では、創立130周年記念「共立祭2016」が開催。(この写真は、セミナーハウスの跡地に新しくできた2号館の中で撮影)

 11/7、都営三田線神保町駅の南側、「A8」出口が新装オープン。ずっと工事中だった小学館も同日開館

 神保町と来れば、ファミマ。11/21、神保町交差点付近にまた1店舗オープンした。

 法律関係の専門書と言えば、有斐閣。一応法学部の出なので、ここが出している書物には何かとお世話になった。



 

 新しく買ったノートPC「T45/TWY」のおかげで、インターネットまわりは快適になった。写真や動画のほか、日々の記録に関する作業も上々。ただし、データベース系(ACCESS)、ホームページ編集系(FrontPage)については、XPのPC(dynabook)を今なお使っている。

 2016年に買い替えた高額品(?)は、この他に自転車がある。



 

 健康面ではいま一つだったが、一年を無事過ごせたのは、こうした行事に参加できたからだと思う。



  • 4.車両基地めぐり、1社全駅乗降など (→第462話

 

 鉄道関係のトピックは、毎年何かしらある訳だが、2016年はやはり車両基地めぐりに尽きる。その年だけで新たに10社12か所に出かけ、過去に訪ねた分とあわせて26か所になった。今年も乗り降り旅を兼ねて、できるだけ車両基地にも足を運ぼうと思う。

 1社全駅の乗降というテーマでは、西武、泉北高速鉄道、埼玉新都市交通で達成した。関東の大手私鉄では、京成と東武がまだ残っているが、駅数が多い東武は無理として、京成の方は残り2駅。早々に達成できそうだが、何しろ遠いのでなかなか...



3.ローン完済&同一住所20年 (→第446話

 

 家賃(住居費)の負担がなくなると、少なからず余裕が出てくる。旅に出る機会を増やすことができたのもそのおかげ。ありがたいことだ。



2.一人旅(大阪・兵庫、静岡、北海道、京都・大阪)

 

 新しい何かを見に行くというよりは、なくなるもの、なくなりそうなものがテーマだった2016年の一人旅。一年で4回というのは近年にない回数で、それだけネタが多かったということになる。

 3月の大阪・兵庫編は、第445話の通り。4/29は熱海の保養所で泊まり、4/30は熱海を起点に出発(細君とは別行動)。JR東海の「休日乗り放題きっぷ」で静岡県を西へ東へ。この遠足で、東海道本線の駅では、東京から高塚までがつながった。

 9月は、一念発起して北海道へ。JR北海道管内でなくなる予定、または、なくなる可能性が高い区間を中心に廻ってきた。北海道ならではの難しさもあったが、行っておいてよかったと今は思う。

 10/29〜30は、何度もお世話になっている「スルッとKANSAI 2dayチケット」(→第459話の使い納めの旅へ。関西5社6か所の車両基地めぐりもこの時に敢行した。車両基地で過ごす分、乗り降りの方は少なめだったが、成果はまずまずだった。

 

*上記に対応する駅の乗降記録のうち、めぼしいものは以下の一覧の通り。(「駅ログ」一覧はこちら



1.二人旅(富山・高岡、佐久・軽井沢など)+鳥取旅行

 

 一人旅があれば、夫婦二人旅もある。1/16〜17は、「ふるさと割」で富山、高岡へ。4/29〜30の熱海一泊も一応二人旅。7/16〜18は、久々に軽井沢の保養所へ行き、佐久市をメインにレンタカーで動き回った。1月と7月の旅で特によかったスポットは、以下の各5つ。

 

廣貫堂資料館

佐久ホテル

富岩運河環水公園とStarbucks Coffee

旧中込学校

高岡大仏

春日温泉(もちづき荘 滝風呂)

 射水市コミュニティバス(海王丸パーク・ライトレール接続線)の車窓・・・新湊大橋から海王丸を見下ろす

 中山道の宿場町の一つ「塩名田」の眺望

金屋町の佇まい

プリンスショッピングプラザ

 

*富山・高岡編に対応する駅の乗降記録のうち、めぼしいものは以下の通り。(佐久・軽井沢編は、こちら

 

 

 二人旅のほか、父を加えた三人旅というのもあった。日程は、6/16〜19の三泊四日。父の研究テーマに沿って、遺跡めぐりなどをしつつ、レンタカーで移動。珍道中ではあったが、概ね予定通りで得るものも多々あった。三泊とも温泉つきの宿だったというのもポイント。温泉地は、湖山、皆生、三朝…湯めぐり旅となった。(湖山の宿から少し南へ行った吉岡温泉の近くと、三朝温泉の河畔では、ホタルの観賞もできた。)

 

(因幡国一之宮)宇倍神社

白兎神社

 山陰海岸ジオパークの一つ、夏泊海岸

 埋蔵文化財センター青谷調査室・・・10/21の地震の影響が気になるところ

 倉吉の隠れスポット「倉吉線鉄道記念館」の前にあるSL「C11 75」

皆生温泉弓ヶ浜荘と、レンタカー

 大山寺では、「大山寺旧境内 国史跡指定答申記念セレモニー」の最中だった。(→参考動画

三朝の夜。ホタルが見頃だった。

 遥拝所からズームで撮った三徳山投入堂(→地震の影響はこちらの通り

 車がないとまず行けない町、鳥取市鹿野。旧き佳き町という印象。

 

↑ 智頭急行が初めてなら、特急「スーパーはくと」も初乗車。ただし、姫路から鳥取までダイレクトなので、智頭急行(上郡〜智頭)の駅での降り乗りはなし。

 

...一人旅〜三人旅、とにかくよく旅に出た一年だった。北陸新幹線の延伸開業区間に乗ったほか、初めて利用した鉄道会社もあった(あいの風とやま鉄道、智頭急行、能勢電鉄)。

 全く乗ったことがない鉄道に乗るというのもあるが、廃止予定の路線もチラホラある。2017年もそういったネタを軸にあちこち出かけようと思う。



 

 さて、今年9月には、いよいよ第480話・・・東京モノローグ、20周年を迎える。

 

 本年もひとつよろしくお願いします。

 

 

 

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