随筆「東京モノローグ2016」(5−6月期)
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 第451話 後楽園〜本郷弥生〜不忍池

 第450話 耳障り七選〜「べからず集」part22

 第449話 連休風邪

 第448話 帰宅困難〜4/20の270分

第451話 後楽園〜本郷弥生〜不忍池(2016.6.15)

 東京メトロ南北線は、振替乗車を中心に時々お世話になっていて、利用区間としては赤羽岩淵〜後楽園がメイン。その区間の地上部分は、北本通り〜本郷通りがメインで、少なくとも東大前駅まではその二つの道路を走っていれば、概ね南北線の上を通ることになる(飛鳥山の下は除く)。これまでその区間(赤羽岩淵〜東大前)については、自転車だったり、徒歩だったり、とにかく自力で走破または踏破していた訳だが、自分でも意外なことに、東大前〜後楽園の地上区間については、ほぼ未経験。バスで通ったことはあっても、自分の足でというのがなかったのである。

 バスで初めて通ったのは、第438話の件、ダイエー小石川店(当時)を見に行った帰りのこと。乗ったのは、都バスの[上60]。その時は南北線の上という意識はなかったが、とにかく初めて見る景色ということは承知していた。暗い中だったが、西片交差点から本郷弥生交差点に至るまでの程よいカーブ、勾配が心地よく、その独特な感じの地形に合わせて展開される風景には心動かされるものがあり、いつか明るいうちに来ようと思った次第。第448話の際は、不本意ながらも、終バスで菊坂下から乗車。再びその景色を目にし、気分が高まる。そして6月10日、ようやくその機会ができた。

 この日は、仲御徒町にある台東区の駐輪場で、同区のレンタサイクルを借りるところから始まった。まずは足慣らしがてら、東京駅まで行って内堀通りを経由して出社。昼は休み時間を早めにとって再び内堀通りを経て、皇居外苑などへ向かう。二年に一度の神幸祭祭礼行列(→参考を見物するためだ。祝田橋まで行ってしばらく待っていると、11時半過ぎにようやく行列の先頭が登場。あとはその300mの行列を追ったり追われたり+見たり撮ったり。クルマが行き交う中で、その姿を完全に捉えるのは難しいものがあったが、さすがは天下祭。見応え十分だった。

10時前の東京駅(丸の内駅舎)

 空は青く、お濠も空を映して青。実際は藻の繁殖などで緑がかっていた。右奥の橋は、平川橋。

祭礼行列(第三梯団)のうち「御鳳輦」

行列の後方、第四梯団「花山車」

 そして夕方。定時で会社を出て、その目的地へ。ただし、まずは腹ごしらえということで学食に寄り、せっかくなのでラクーアにも少々といった具合で、南北線の地上区間巡りの起点となる富坂下交差点を出発したのは19時頃。南北線は、白山通りの西片交差点へ向けショートカットのカーブを進むが、地上部分はそのカーブはないので、直進・右折で西片交差点に出る。ここから南北線の上を走る形になる。

 明るいうちにこの界隈を訪れたのは初めてなので、いろいろと目移りしつつ、気になる路地があればそこにも入る。バス停にもある「菊坂下」の三差路では、右に折れればその菊坂。道なりに左方向に行けば、引き続き、南北線の上&バス通りとなる。バスから二度眺めた景色をじかに目にしながら、印象的な景観があれば都度撮影。上りつ止まりつである。上っている坂自体は、「○○坂」という名称がわからないのだが、進行方向右手にある坂は「新坂」で、坂を跨ぐ陸橋は「清水橋」とそれぞれ名前がしっかりある。その新坂の辺りから清水橋の下にかけての勾配は、変速なしの自転車でもスイスイ。その先の西片二丁目交差点も悠々到達できた。付近は明るさの残る本郷六丁目側と、そろそろ暗さが出てきた西片二丁目側で対照的。南北線はこの交差点からまたショートカットで東大前駅に通じる。坂をそのまま上がると南北線とは離れ、本郷通りと交差。本郷弥生交差点である。西片交差点から本郷弥生交差点までは750mほど、標高差は21m。今回は途中停車が多かったので時間を要したが、自転車で10分だった。

 富坂下交差点から北方向を撮る。ここから少し行ったところで、南北線は右にカーブ。

 西片交差点から少し入ったところ。奥の信号を右折すると菊坂。今回は道なりに左へ進む。

 菊坂下の三差路付近から西片一丁目側に入ると、ちょっとした家屋が並んでいて目を引く。どれも坂を活かした建て方になっているようだ。(不思議な階段がある家を見つけたが、さすがに中に入っていく訳にも行かず...)

 三差路から少し上がった右手に見える「新坂」。坂の先の世界が気になるが、今回はお預け。

 一帯は坂が多く、このような階段坂も。階段の先は、陸橋「清水橋」につながる。

 清水橋を抜けたところで一枚。橋を渡った先が大いに気になるが、やはりお預け。

 西片二丁目交差点から西へ進むとこんな感じ。住所表示は西片二丁目。

 対する東側は、本郷六丁目。小さな坂の向こうには何が...という気分になる。

 本郷弥生交差点(左写真)は、意外なことに言問通りの起点。東大の工学部と農学部をつなぐ陸橋の下を抜けると下り坂になり、やがてY字路に出る。道なりに左に行くと言問通り(弥生坂)で、右が知る人ぞ知る「暗闇坂」。この坂もこれまで来たことがなかったので、迷わずに進む。当の暗闇になるまではまだまだ時間はあったが、さすがに暗さが増してきて、少々急ぎ足に。それでも見るべき撮るべきものはいろいろあるので、早々先へは進めない。坂を下りきり、文京区と台東区の境界付近に来たところで、時刻は19:25。辛うじて空の青が残る中、辺りの景観をとにかく撮った。

 言問通りを跨ぐ陸橋。東大の工学部と農学部の“橋渡し役”を担う。

 第89回「五月祭」で東大を訪れた際に、陸橋を渡り、言問通りなどを撮影。右の校舎は工学部7号館。

 暗闇坂に来たのが初めてなら、坂に面した東大弥生門の前に来たのも初めて

 弥生門の斜め向かいにある弥生美術館。仄暗い中に瀟洒な建物が浮かび上がる感じがいい。都内の美術館や博物館はあちこち行っているが、ここはまだ。いつか来ようと思う。

 徐々に暗闇感が出てきた暗闇坂。坂は美術館を過ぎると至って緩やか。

 そろそろ台東区に入る辺りで撮った二つのタワーマンション。左がルネッサンスタワー上野池之端、右がシティタワー上野池之端。

 区の境界上で撮った謎の建物。調べてみたら東大の「最先端臨床研究センター」であることがわかった。

 区の境界は、その道路にそのまま入り、ちょっとの動きで台東区池之端2丁目と文京区本郷7丁目を行ったり来たりする感じになる。その境界が終わり、全面的に台東区になると、並行する不忍通りが見えてくる。今回の「未知の道を往く」は、この辺で終わり。不忍通りを渡り、不忍池を一望できる場所まで来て、自転車を押して歩く。夏至が近づき、日が伸びているとは言え、19時半を過ぎればさすがに夜景モードである。目に留まったスカイツリーを軸に何枚か撮ったが、いざ紹介しようとするとこれがなかなか。見栄えがするのはこのズームで撮った一枚である。


 自転車のおかげで、朝、昼、夕と有意義に過ごすことができた。めぼしいイベントの時もだが、エリア探訪にはやはり欠かせない。今後もぜひ利用しようと思う。

  • こちらもどうぞ...⇒ 探訪シリーズ(文京区など)

第298話 春日通りを往く(佐竹商店街〜炭団坂) / 第343話 初探訪十一景

 

第450話 耳障り七選(2016.6.1)

 日々の暮らしにおいて、物音や音声に接するのは不可避かつ不可欠。それらは自然発生的なものもあれば、そうでないものも多々あり、その意図的に発せられる中には、決して快く思うことができない例が少なくない。

 今回の「べからず」は、特に店や街中で「何とかならないか」と思う音の類。今のままだと耳障りだが、設定を変えるなどすれば済みそうなものを七つ紹介する。

*単なる騒音や雑音、一時的・一過性のもの(選挙カー、街宣車など)は除く。


7.繰り返し自動アナウンス

 何につけ、同じフレーズが繰り返されて流れるのは、あまりいい気がしないもの。その場限りならいいが、日常的にその場を通ったり、とどまったりする場合でのそれは、回を重ねるごとに煩わしく思えてくる。一例として、JR水道橋駅の自動アナウンスがある。

 東に向かう総武線の各駅停車が入ってくる際、単に入線を知らせるだけでいいところ、ご丁寧に「東京方面は御茶ノ水駅でお乗り換えです」というのが加わる。これが一度ならどうということはないのだが、なぜか二度流れるのである。過剰アナウンス=耳障りだと思う。

← その自動放送は、このスピーカーから(@水道橋駅2番線)


6.厨房設備

 飲食店に入ると、時にとんでもない音を立てる設備を使っているケースに遭遇する。ランチパスポートに載っている小川町の某ラーメン店では、麺を茹で上げるためか何かの設備が物凄い音を延々と立てていて、気分的にすっかりノビてしまった(麺ともども)経験がある。一人で切り盛りしている感じの店なので、省力化するために入れているのだと思うが、あれはちょっと...(客として、一応申し入れはしたが、音が止むことはなかった。)


5.発音が強力な英語の録音放送(秋葉原駅)

 外国人旅行客が多いためか、JR秋葉原駅構内では、女性スタッフによる英語のアナウンス(録音)が時々かかる。導入したての頃は大して気にならなかったのだが、何度か耳にするうちに、どうにも聞き苦しくなってきて、そのくだりになると耳を塞ぎたくなること多々。終盤に乗り換えの案内が入るのだが、“・・・or TSUKUBA Express・・・”の「or」の発音が良過ぎて、どうにも耳障りなのである。「r」の独特の発音を意識する余り、そこが強調されているのが聞き苦しさの一因。ネイティブversionだとどう聞こえるのか、気になるところである。


4.宣伝カー

 求人情報か何かの宣伝カーというのが通ることがあり、その宣伝用の楽曲が何とも言えない出来で、閉口、いや「閉耳」状態に。印象付ける上ではいいのかも知れないが、正直逆効果だと思った。

 これと似たようなものとして、移動販売カーがある。そのクルマが来たことを知らしめるため、「ありがち」な曲とともに登場し、しばらくそこにとどまる訳だが、これがどうにもいただけない。曲のチョイスに問題がある場合が多く、やはり逆効果だと感じる。


3.店頭呼び込み

 赤羽のエキナカなどで、期間限定で出てくる店というのが時々ある。で、某ネットショップでランキング1位とか何とかという触れ込みとともに、なぜかやたら声高に呼び込みをかける。

 期間限定なのでまだ我慢できるが、そこを通らざるを得ない時は迷惑この上ない。ランキング上位であれば、そこまでアピールしなくても客は来るだろうに、と思う。

 他に店頭が騒々しい例としては、ケータイショップ(特に非直営系)がある。


2.駐車場出入り音・音声

 街中の駐車場の中には、出入口にセンサーとスピーカーがあって、入庫と出庫の際に、警告音が鳴ったり、自動音声が繰り返されたりというものがある。だいたいどれも騒々しく、耳を覆いたくなるのが常。最も悩ましいのは、センサーの不具合か設定ミスかで、クルマが通ってもいないのに、自動音声が連呼されるパターンだろう。

 清掃スタッフが台車を押して通行する度に反応し、周囲の歩行者に余計な気を遣わせる例がある。明治大学の地下駐車場(→参考である。台車=クルマと考えれば、間違いではないのだが、驚くべきことに人が通るだけ、あるいは誰も通っていなくても反応&作動することが最近になってわかった。そのフレーズは、「クルマが通ります。ご注意ください。」・・・これが自動かつ、短い間隔で繰り返される。目に余る、いや「耳に余る」事態である。(いずれ、ここに一筆送ってみようとと思っている。)

 出庫時の様子。こういう時に音や音声が出るのは別に構わない。(リバティタワー駐車場)

 こちらは、アカデミーコモン駐車場。この写真を撮る直前まで、延々と「クルマが通ります。ご注意ください。」が流れていた。この通り、何も通っていないし、何も見ていない。


1.店内BGM

 ここまでの六つの例は、日常的に接するものではあっても、その時間が比較的短い、またはその場から離れることが容易な分、程度としては軽い。重いのは、その音と一定時間対峙しないといけない場合。その代表例がお店でかかるBGMなどである。(17年前に記した第42話とあまり状況が変わっていないところがまた何とも...)

 以下、パターン別に列挙する。

7.割り込み宣伝

 いい曲がかかっていて、耳を傾けていると、そのチェーン店独自の広報番組か何かが不意に割り込んできて、曲を中断し、気分をそがれることがある。店内のアナウンスなら致し方ないと思うが、その店の宣伝を番組風に仕立てたものをわざわざぶつけてくるというのは、いかがなものだろう。客に対してもだが、楽曲やアーティストに対して、こんな失礼な話はないと思う。(第225話の7.に類似)

6.演歌

 最近はどうなっているか不明だが、富士そばではどの店に行っても、店内で流れているのは演歌。明るい曲ならまだしも、いわゆる怨歌の類が流れてきた時にはそりゃあもう、である。

 御茶ノ水の富士そばは、下倉楽器のお隣。「楽器街」の中にある店であれば、多少は違う路線でもいいように思うが...

5.B級系

 聞くに足らない楽曲というのが世の中には一定数存在し、それを平気で流す店というのもまた一定の数存在する。飲食店でこのパターンに遭遇した場合は、今は耳栓でしのぐことにしている。(一時期は、携帯音楽プレーヤーで好きな曲を聴くようにしていたが、その曲のイメージがそうした類の店の雰囲気で上書きされてしまう懸念があり、やめた。)

4.上品とは言えないラジオ番組

 AMならまだしも、FMにもかかわらず、どうにも品がないというか取るに足らない番組というのがあって、それを流す店にあたることがある。地元のカット専門店がそのパターンで、待っている間、カットしてもらっている間、その馬鹿馬鹿しいトークetc.に付き合わされる。カット自体は大変上手なので、決して行かないということはないのだが、そのFMさえなければ(=その番組もついでにカットしてもらえれば...)というのが正直な気持ちだ。次は、来店する時間帯を変えてみようと思う。

3.子どもの歌

 「さかな・さかな・さかな〜♪」のサビで有名な「おさかな天国」に負けじと、肉や野菜や惣菜などのPRソングが相次いで出てきて、スーパーなどを賑わした時期があった。今なお、そうした後発の曲が店内のCDラジカセから流れる店があり、苦笑させられることがある。苦し紛れとも思えるのがコロッケの曲で、いわゆる「歌のお姉さん」だけが歌っていればいいものを、男の子、女の子、さらに謎のテノールが歌に加わるものだから、その耳障りなことと言ったらない。子どもを使えば何とかなる的な発想がまた浅ましく、兎にも角にも聞くに堪えない。

 子どもがメインボーカルの曲も、あまりいいと思えない。(キーが高くキンキンすることと、音程が一部不安定なのが原因と考えられる。) 「まあるいおなかをポンツーポンツー」と叫ぶように歌う「ポンタのうた」は、特に苦手である。ローソンストア100で、これが流れ出したら、まずは退散するようにしている。

2.ノイズ音楽

 音階を伴わず、電子的または雑音的なもので構成され、ボーカルと思しきものが入っていても、不気味かつ意味不明・・・世の中にはそんな音楽(と呼べるのかは疑問)がある。その手の曲を流す店というのは、幸い筆者とは無縁のことが多いので、そうそう耳にする機会がないのが救い。

1.大音量

 できて間もない店でよく出くわすのが、必要以上にボリュームを上げてBGMを流すケース。本来なら心地よい筈の音楽も、その大きさを誤ると雑音でしかなくなってしまうのだが、どうもその辺りがわからない店員が多いようだ。複数人数で飲食店に入れば、そこは会食の場になる。そのBGM(またはbackground Noise)のせいで、会話が成り立たなくなることもあり、それで評判を落とす可能性は大。早々に客離れを起こさないためにも、BGMには重々留意してほしいものだと思う。

 筆者は、神保町界隈で少なくとも2店、オープンから間もない時期に大音量BGMにしてやられた経験がある。いずれも店員に申し出て、多少控えめにしてもらったが、その後は足が向かない。

 屋外の飲食スペース向けにもBGMをかけ、結構ガンガンやっちゃうのがこの店の悪いところ。この写真の時は、まぁまぁ抑えていたが、以前はひどかった。

 もちろん、優れた音楽を適正音量で流してくれる店もある。いずれも居心地が良く、気分よく飲食なり、買い物なりができる。有線放送の「D−04」あたりを流す店は、センスのいい店だと思う。


 という訳で、今回の「べからず集」は、耳障り関係。書いているうちに、音や曲が思い出されてきて、悶々としてきたのでこの辺で。イイ曲を聴いて、「お耳直し」しようと思う。

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第449話 連休風邪(2016.5.15)

 風邪はひきそうでひかないことが多いが、ひかなそうでひいてしまうこともまたあるもので、今回は見事にそれが出てしまった。

 気が張った状態が続いている訳ではないのだが、気が抜けるということがしばしばあるようで、風邪をひく時は大概その気抜けが原因。4/29〜5/8など、通しの連休ではなく、筆者は飛び石の連休だったが、三連休を前にホッとするものがあったのか、やられてしまった。発端は、4/27(水)の夜に感じた喉の違和感である。

 連休前日の4/28(木)は、その喉の痛みは少し鎮まるも、これはやはり風邪?と思わざるを得ない症状がチラホラ。夜は、ランチパスポート掲載のラーメン店で、白菜たっぷりの醤油系ラーメンをいただき、ニンニクも足したりして、風邪の抑制にかかる。少しは効いたようで、無事帰宅できた。

 連休初日の4/29(金)は、熱海の保養所へ。温泉が控えているのだから、多少の無理は平気・・・というのがアダになって風邪をひいてしまった可能性はあるが、ひいたにしても温泉浴で治せるだろうと考え、日中は普通に行動。特に自覚症状もなく、平然と過ごし、温泉もゆったりと浸かる。完治できる筈だった。

 だが、夜になると鼻水が止まらない。血行が良くなり、要らない水分を外に出す働きが強まり、それが鼻水になって...という見立てはできるが、果たしてどうだったのか。いつものパターンだと、喉→鼻→咳→回復というのが筆者の風邪症状の遷移。単にステージが移行しただけだったのかも知れない。

 細君曰く、睡眠中は喧しかったそうだ。

 4/30(土)は、鼻水も治まり、予定通り静岡県東西の鉄道の旅へ。まだ下車したことのない駅をできるだけ多く訪ねるのが趣旨ゆえ、今回は筆者単独で出かけた。(細君は別行動&ご実家へ)

 東海道本線は一部でダイヤが乱れていて、計画していた時刻通りにはならなかったが、行くべき駅はひととおりこなすことができた。天気も上々だったため、風邪のことなど忘れて動き回っていたが、疲れが出たのか御殿場線の旅を終え、国府津に着いた時点で足が重くなる。幸い、東京方面の次の列車は、国府津始発の上野東京ラインだったので、赤羽までは一本(乗車時間約100分)。気分的には楽だったが、何となくグッタリではあった。

 5/1(日)は、自宅で一人静かに過ごしつつ、前話(第448話)をいそいそと。同様にゆったり過ごしてきた細君は、18時台に赤羽駅に帰着。次の日は、出勤の人、休暇の人とそれぞれだが、夜はそのそれぞれに備える。

 5/2(月)は出勤日。デニーズのモーニングサービスでひと息入れてから職場に向かう。調子は悪くなかったのだが、良好とも言えず、治りきっていないことが明らかに。夜は、咳が出るようになった。その咳は、5/3(火)に引き継がれ、徐々に収束。5/4(水)は、みどりの日につき、入園無料になる旧古河庭園、六義園を巡る。旧古河庭園のバラもよかったが、六義園の新緑は実に鮮やかで、大いにリフレッシュ。風邪はひとまず退散した(と思われる)。そして、5/5(木)。少なくともこの日は風邪症状はなかった。

 5/6(金)、通常出勤。ランチは、体を熱くしてくれそうなメニューにし、狙い通り発汗状態。万全の状態にして、週末に備える。

 5/7(土)は、実家へ。クルマを動かし、国道16号や千葉ニュータウン方面に行く。旧沼南町に新しくオープンした「セブンパーク アリオ柏」も寄り、週末らしい過ごし方に興じる。この日も体調面では何ら問題なく、5/8(日)はとにかくゆっくりモード。が、これでまた気が抜けてしまった可能性はある。


 5/9(月)の朝は、予期せぬ事態とともに目が覚める。喉の違和感が再発したのである。自分でも信じられなかったが、そうなってしまった以上は仕方ない。そのまま喉だけで済むこともあるが、済まない場合もある。様子見しつつ、職場ではできるだけ負荷をかけないようにして過ごした。

 5/10(火)は、曇りから雨。雨は夜に結構降ってきて、潤う感じ。雨のおかげか、とりあえず治ったように思えた。5/11(水)は、日中曇りベースで夜は晴れだった。最高気温は27℃と暖かく、過ごしやすかった。が、夕方になると咳がよく出るようになり、帰宅途中はすっかりゴホゴホ(マスク着用)。咳になれば治っていくのがいつものパターンとは言え、いったいいつの風邪の話?である。4/28から続いていたとするなら、相当な長期戦ということになる。

 そして、5/12(木)の朝を迎える。声が思うように出ず、出たとしてもすっかり嗄れた感じ。調子がよろしくないながらも、とにかく出勤する。この日の朝は、振替輸送をうまく使うことができ、おかげで早く着いた。通勤の負担は多少減った訳だが、それで風邪が治るものでもない。勤務時間中、咳は痰とセットになる。そして午後はいよいよ痰との闘いに。悪さをしていたのが外に出て行く証しではあるので、気分的には快方なのだが、やはり苦しい。

 定時で帰り、早めに就寝。が、咳、痰は寝てくれないので、時々目が覚める。夢見もあまりよくなかった。

 5/13(金)。長期戦となれば、咳の段階もすぐには終わらないようで、この日も断続的に咳と痰が出る。それでも出るものが出て行けば、あとは落ち着くもので、夜にはかなり収まってきた。早めに寝ることはできなかったが、睡眠時間は程々。睡眠の質は前夜よりもずっとよかった。

 かくして、5/14(土)は、ほぼ治った状態で、一日を過ごし、本稿第449話の下書きなどもできた。月曜朝にまた喉が...ということがなければ、今度こそ完治ということになるだろう。皆さんもこの時期の風邪にはご注意を。

 4/28夜、白菜たっぷりラーメン

 4/29、久々の新宿。話題のバスタは、この日初めて訪れる。

熱海の温泉(イメージ)

 4/30の鉄旅、この日最西端は高塚駅(東海道本線は、東京〜高塚まで全駅乗降達成)

 4/30、御殿場線の旅を終え、国府津に到着

 5/6のランチ、「四川麻婆チャーハンセット」。四川風の辛さがなかなか。

 旧古河庭園のバラは、見頃の手前といったところ

 六義園では、こうした新緑尽くしだった

 みどりの日(無料入園日)@六義園

 5/3は、地元のダイエーに出かけた程度。店頭ではお茶漬けの試食があり、ありがたく頂戴した。

 5/7、アリオ柏の目玉コーナー「BIG WONDER」の様子。複合商業施設のあり方を探る実験的展開といった印象を受けた。人気は絶大。

 5/12、振替輸送で神保町へ。京浜東北線、東海道本線などが運休になったのは、川崎駅の「停電」(変電所火災)が原因だった。

 

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第448話 帰宅困難(2016.5.1)

 通勤ルートの路線で何らかのアクシデントがあって、振替乗車を余儀なくされるケースは、行き、帰り問わず生じるもの。朝の振替は、自宅を出る前に情報をつかんでいれば、2番目に近い鉄道駅、東京メトロの赤羽岩淵駅に直行すればよく、その方がJRを使うよりも楽な場合もあるので、(振替客集中で、混雑がひどい場合を除き)苦に感じることはあまりない。

 問題は帰りの方である。職場を出る前に一応チェックはするものの、食事などをしてから駅(水道橋や御茶ノ水)に着くと、状況が変わっていることもしばしばで、なぜか行きのように易々とは行かないのが常。水道橋駅でわかった時は都営三田線に、御茶ノ水駅でわかった時は丸ノ内線のそれぞれの同名駅に向かう訳だが、その移動に多少時間がかかる上、三田線→南北線(春日→後楽園)、丸ノ内線→南北線(後楽園・・・ただし、地上2階→地下6階)の乗り換えがまたそれなりで、赤羽岩淵に着くとグッタリ状態。そこからまたそれなりの距離を歩く... 帰りの振替はできれば避けたい、ということになる。

 4月20日(水)夜は、その振替でとんだ難行苦行を強いられることになった。ある意味、帰宅困難である。(ネットカフェなどで一夜を明かす必要を一時は考えるほど)

 職場を出たのは19時過ぎだった。某学食で食事を済ませ、水道橋駅に着くと、山手線、京浜東北線などが赤々(=運転見合わせ)となっていて、振替必至な状態。ただし、アクシデント発生からの時間(19:40?)がまだ浅かったようで、振替路線の表示はなかった。しばらく駅周辺を散歩してから、改めてディスプレイを見て、振替を確認。そこから、いつものように移動(西口→東口)し、三田線の水道橋駅へ。この時の三田線は大した混雑はなく、春日にはすんなり辿り着く。ここからは、南北線の後楽園駅に出て、一路、赤羽岩淵に行けばいいのだが、ちょっとした予感が働いて、一度改札の外に出ることにした。(第444話に記した「春日<=>後楽園」の改札通過サービスは使わず)

 ラクーアなどに寄ってから、満を持して地下6階の南北線ホームへ。しかしそこで見たものは...

 ホームには人があふれ、一目で乗車不能とわかる状態。来るべき列車は20:34発だったが、混雑が遅延を増し、その遅延がさらなる混雑を招く悪循環の典型で、実際に入線したのは20:40頃だった。あふれていた人の波は、そこに無理に入って行こうとするため、遅れが酷くなる。扉を閉じたり開けたり・・・6〜7回はやっていた。発車したのは何だかんだで20:42。次の列車の時刻である。

 当の20:42発も5分ほど遅れ、やはり超満員。その次の20:50発も、57発も同様の遅延&混雑・・・つまり、「乗れそうな列車が来ない!」のだった。(参考→南北線時刻表

 21時を回ったところで、南北線を諦め、北側の「小石川方面」の出口へ向かう。振替は利かないが、こういう時は仕方がない。バスで上野に抜けることにしたのである。

 南北線後楽園駅に通じる「小石川方面」出口。地上に出るには結構時間がかかる。(4/26に撮影)

 夜のバス通り。奥に本郷六丁目停留所がある。日中に散策したいエリアである。

 終点の上野公園は、菊坂下から七つ目

 JR水道橋駅に着いてかれこれ2時間。ようやく「上野公園」に到着。

 都バスの[上60]がこの近くを通っていることは承知済み。停留所は少し歩くが、「菊坂下」というのがあり、乗れれば上野と御徒町の間にある停留所「上野公園」(終点)に行ける。幸い、21:24発の最終には間に合った。バスには10分ほど乗り、21:36の到着。5〜6分歩き、上野駅に着き、「ヤレヤレ、これで帰れる」と思ったのだが...

 何と筆者が南北線の後楽園駅で満員列車を見送っている最中に、今度は高崎線でアクシデントが発生し、見合わせに。1時間は経っていたものの、速やかな回復が見込める訳もなく、この時点で高崎線・宇都宮線による赤羽直行プランは断念。おそるおそる山手線に乗るが何とも心許なく、日暮里で下車し様子を見る。しばらくしてまた山手線に乗ってみるも、今度は西日暮里を出るところで停滞(扉は開いたまま)。上中里で非常停止ボタンが扱われて云々とのアナウンスが流れてきたのは数分経ってからだった。

 上野駅の発車標はこの通り。宇都宮線、高崎線は「準備中」(+_+)

 22時過ぎでもこの状況。帰宅できる気がしない...

 上中里の話は山手線には関係ないので、さすがにしばらくしたら動き出した。とにかく田端までは行こう、あとは... が、よく考えると策がない。京浜東北線は本数が減る時間帯でもあり(そこに上中里の一件が加わり)、なかなか来ない。来れば案の定の大混雑で、先の南北線と同じような状況である。「今日は帰宅できないのではないか?」…そんな不安がよぎったのはこの時である。

 山手線に不安要素がなければ、駒込まで行って、再び南北線という策が出てくる。駅の外であれこれ考えてから、覚悟を決めて、山手線内回りに乗ろうとしたら、発車したての列車がなぜか停車中(扉は閉まったまま)。またどこかで非常停止ボタンが押されたらしく、先行列車も駅間で停まっているような事態になっていた。アクシデントがアクシデントを呼べば、非常停止が非常停止を招く、そんな負の連鎖にハマった夜。筆者はここで一念発起し、田端から駒込までを歩いて移動することにした。

 田端発車直後に停車してしまった山手線。当然、後続もつかえ、一気に乗る気が失せる。

 22:50頃、山手線と並行する道路に着く。駒込駅はまだまだ先。

 田端と駒込の間には、山手線唯一の踏切「第二中里踏切」もある。非常停止の影響で、列車が集中して通過するものだから、長々と遮断されていた。(山手線の駅間停車は解消されていたが、徐行気味だった。)

 アスカタワーを回り込み、田端高台通りに出て、富士見橋のエコー広場館のところで左折し、あとは概ね山手線の線路沿いに。あとで測ったら、この道程で約1.5kmあった。夜遅くで心細いこともあったのだろう。それ以上に長さを感じる駅間移動だった。

 駒込に着いたのは23時を回ったくらい。後楽園での大混雑列車は、2時間以上前の話なので、さすがにそれは解消し、至って持続可能な状態の列車が入ってきた。「やっと帰れる」・・・この時の安堵感の大きさはそれはもう、である。

 いつもの振替時と違い、この日の夜の赤羽岩淵からの足取りは軽かった。帰宅したのは実に23時半過ぎ。途中、寄り道や彷徨があったとは云え、4時間半かけての帰宅というのは、まず例がない。


 そんな長時間帰宅があった翌週のこと。4月26日(火)は、東十条でアクシデントが起こる。この時は、職場を出る前にチェック済みだったため、予め振替を使うべく、その駅をめざして移動できたのがよかった。その日は小川町界隈に寄ってから帰ることにしていて、その足で丸ノ内線の淡路町に向かう。振替で使った列車は、丸ノ内線が淡路町20:01発→後楽園20:06着、南北線が後楽園20:16発→赤羽岩淵20:35着。振替輸送というのは、本来はこれくらい円滑なのだ。4月20日とのあまりの違いに驚きつつ、とにかくこの日の夜は楽に帰れて何よりだった。

 兎にも角にも、アクシデントが起こらないに越したことはない。が、他の事由も含め、都市部の鉄道(特にJR)は何かと難が多いのも事実である。通勤ルートや通勤手段を変える必要も出てくる? 最近はそう思うことが増えてきた。

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